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やっぱ男らしいっすね

体育館へ戻り絵里奈の隣に行くと、既に他のクラスの試合が始まっていた。


「わあ、始まってる〜!みんな上手だね〜」


菜穂はそんなことをぼやきながらその場に体育座り。

しばらく試合を見ていると、デジャヴのようにボールが飛んできて、菜穂はまた、あの日を繰り返すように隣にいた知らない女の子の前に立ちはだかった。


「菜穂っ!!」


最後に絵里奈の声が聞こえた。



菜穂の肩にボールが直撃し、菜穂はその場に倒れた。

菜穂の後ろにいた女の子は驚いた表情を浮かべ、肩を抑えて倒れている菜穂を見た。


絵里奈は菜穂に駆け寄り、体育館中が静まり返った。

教員たちが駆け寄って「汐崎さん!大丈夫?!」と声をかけた。


「誰か男の子ーーーーー」


と女性の教員が辺りを見渡した時、菜穂の横に歩み寄ってきた生徒がいた。



楓はしゃがみこみ、菜穂を抱き抱えると「保健室に運べばいいですか」と教員を見た。教員は「うん、ありがとう」と言って楓と共に廊下へ。


絵里奈も2人に続いた。

菜穂は痛みに歯を食いしばりながら無言で楓を見上げた。



保健室へ行き、菜穂をベッドに降ろすと楓は近くの椅子に腰を下ろした。


「ありがとう、桐山くん」


保健室の竹本はそう言い、菜穂の体を見た。


「あ〜〜痛かったわね…ちょっと見るからもう少し頑張って」


竹本は菜穂にそう言い、振り返って楓を見た。


「桐山くんはちょっとあっち向いててくれる?」


言われ、楓は「あ、はい」と呟き菜穂とは反対方向を向いた。

竹本は菜穂の服を脱がせ、怪我の状態を見始めた。


しばらくスマホを見ていると竹本に「もういいわよ〜」と言われ楓が振り返ると、Tシャツを着た菜穂がいた。


「大丈夫ですか?」


楓が言うと、菜穂はコクリと頷いた。

竹本は「打撲してるみたいだけど2.3日で治ると思う」と微笑んだ。


「あの、運んでくれてありがとう」


菜穂は肩をおさえながら楓を見て申し訳なさそうに言った。


「いえ。たまたま見てたので」と楓。


その時電話が鳴り、竹本は「ちょっとごめんね」と言って奥へ。

菜穂は「あ、あの…ごめんね?迷惑かけちゃって」と楓を見た。


「別に迷惑とか思ってないです。らしくないこと言わないで下さい。気まずいです」


楓が淡々と言うと、菜穂は「あはは…いやさすがにね…?」と気まずそうな表情を浮かべ、その後に「痛っ…!」と肩を抑えた。


楓はスっと立ち上がり「大丈夫ですか」と菜穂の肩を見た。


「あ、うん大丈夫…!本当ありがと…はは」


楓は少し痛がっている菜穂を見つめ、「やっぱ男らしいですね、先輩」と言った。


「え、だからそれ褒めてんの…?」


菜穂は目を細めて楓を見た。楓はクスッと笑い「褒めてます。さすがです」と言ってから少し沈黙し、「…多分噂流れてると思うし、ちょっとしたら兄ちゃんが来ると思います。俺はそろそろ戻りますね」と言って立ち上がった。


「あ、うん…あの楓!」


菜穂は出口に向かった楓を見て言った。

楓が振り返ると、菜穂は「ありがとう!」と微笑んだ。


楓は「…いえ。お大事に」と言って保健室を後にした。


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