初お家デート
「ねえ菜穂、もう1つお願いしてもいい?」
「なにー?」
菜穂が不思議そうに見上げると、光は腕時計で時刻を確認した。
現在は17時3分。
光は菜穂に視線を戻し、また言いづらそうに口を開いた。
「...これから、うち来ない?」
そう言われ、菜穂はポカンとした表情で「へ」と呟いた。
光は「あ、いや菜穂にも都合があると思うし、遅くなるとご両親が心配するとかだったら全然無理にとはーーーーーー」と言い、菜穂はそれを遮った。
「え!!いいの!?」
菜穂は嬉しそうに、恥ずかしそうに言った。
光は嬉しそうに微笑み、「菜穂が、いいなら」と言った。
「もちろん!!行きたい!!あ、でも光君の家族は大丈夫なの?」
菜穂がそう言うと、光は「うん、今日両親はいないし、楓と湊...あ、下の弟ね。楓と湊はそのうち帰ってくると思うけど」と苦笑した。
「そうなんだ!やったあ、ちょっと緊張するけど嬉しいなあ♡♡♡」
菜穂は悶えるように呟いた。
そんな菜穂を見て、光は微笑んだ。
「お、お邪魔します....!」
固まっている菜穂を見て、光は「そんな改まらなくていいよ。今は誰もいないし」と笑った。
「あ、う、うん!そうだよね...!お邪魔します!!!!」
菜穂は緊張しながら家に入り、階段を登った。
ここが....光くんのお家...!!!!!
やばい涎出そう。
しかも、しかもだよ!!?
誰もいないお家って...!!!!!!あんなことやこんなこと...し放題じゃないの!!!♡♡♡
いやいや落ち着け菜穂。
こういうのは慎重に、カワイくしないとだめよ。
手を繋いだ時はまっっっっっったくもって可愛い反応ができなかった反省を生かすんだぞ菜穂。
「どうぞ」
光はそう言って自分の部屋のドアを開けた。
菜穂は「ありがとう…」と呟き、緊張しながら中へ。
光の部屋はイメージ通り綺麗に片付いていて、シンプルな部屋だった。
難しそうな小説や参考書が並ぶ本棚は綺麗に整頓されていて、ベッドのシーツも落ち着いたネイビーで統一され、ホテルのように綺麗だった。
「適当に座ってて。飲み物持ってくるよ」
光はそう言って優しく微笑み、部屋を出て行った。
とはいえ、緊張し過ぎてどこに座ればいいのか分からない。
ベッドの上?いやいや、攻めすぎてて嫌われる…!!!
カーペットの上?えーなんか距離あり過ぎじゃない???????
とか何とか思ってる間に階段を上ってくる音が聞こえ、菜穂は焦ってとりあえずその場に正座。
「あれ、何でそんな何も無いとこに座ってるの?」
部屋に入るなり、光はお茶の入ったグラスをテーブルに置きながら微笑み、ベッドに腰を下ろして「おいで」と菜穂を見た。
菜穂は「えっ…!!!?」と動揺した表情で光を見上げる。
光は「あ、ごめんごめん」と苦笑し、ベッドから降りて、ベッドに寄りかかる形でカーペットに座った。
「隣、来て」
光が微笑み、菜穂は「あ、う、うん…!」と呟きゆっくりと光の隣へ。
心臓の音がうるさい。
ただ隣にいるだけなのに鼓動が早くて、耳元に光くんの息遣いが聞こえるくらいの距離に更に緊張が高まる。
「菜穂」
言われ、菜穂は緊張した表情で隣の光の方を見上げた。
「好きだよ」
光に言われ、菜穂の顔はカァァァァと赤くなった。
「菜穂は?俺のこと…好き?」
光はそう言って菜穂を真っ直ぐ見つめた。
菜穂は「あっ…えっと…!!!」とやはり可愛い反応はできずオットセイ状態。
光はクスッと笑い、「俺のこと、好き?」と再び言った。
「す、好き…!」
菜穂がそう言うと、光は嬉しそうに微笑み、右手を菜穂の頬に添えた。
菜穂は「はわっ…!」とつい小さな声を出し、光はまた少しクスッと微笑むと「かわいい」と呟き、2人は唇を重ねた。
菜穂は目を目開き、ぎゅっと目を瞑る。
数秒してから唇が離れると、光は菜穂の顔を見てクスッと微笑んだ。
「光くん好き…!」
菜穂がそう呟くと、光は嬉しそうな表情を浮かべると、「俺も」とまた微笑んで菜穂にキスをした。




