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俺とも行こうよ

【8】 初お家デート♡


相変わらず転んだりぶつけたりしている菜穂は、この日も無駄に走り回り、放課後教室で項垂れていた。

「ちょっと、痣できてるけどあんた大丈夫....?」

菜穂の腕を見るなり、絵里奈は心配そうに言った。

「ああ、うん...ボールが.....」

菜穂は項垂れながら呟いた。

「菜穂が頑張ってるのはみんな知ってるし、あんま無理しないでね?」

「うん、ありがとう!えっちゃん」

菜穂は顔だけ絵里奈を見上げて微笑んだ。

「てかクマもやばいけど寝てないの?」と絵里奈。

「ああいや、これはただ昨日寝不足なだけ」

「何してたの?」

「んっと、バイトして、公園行ってバスケ?」

菜穂がそう言うと、絵里奈は「え、1人で?!」と驚いた表情を浮かべた。

「あ、ううん。楓....バイト先が一緒の、光くんの弟。付き合ってくれたの」

「え、その、弟?と2人で?」

「うん。バスケ部なんだって。まあ、全然上手くはならなかったけどォ」

「そう、なんだ....」

絵里奈はどこか腑に落ちないような表情を浮かべた。菜穂はそんなこと気づかず、「てか!人に教えてもらっといてこんなとこで項垂れてる場合じゃないよね!」と言って顔を上げた。

「あれ、えっちゃん今日バイト?」

菜穂に言われ、絵里奈は「え、あ、うん」と微笑んだ。

「そっか。じゃあ一緒に帰れないね」


「そんなこと言って、桐山と帰るんでしょ??」


「いやあ今日は部活だって言ってたから..でも連絡してみよーっと♡♡♡」


菜穂はそう言ってスマホを出した。

するとタイミングを測ったかのように「菜穂」と光が教室に入ってきた。


「光くん♡♡♡あれ、部活は?」


菜穂は嬉しそうに光を見上げた。光は「うーん、今日はやっぱり菜穂と帰りたいなって思って」と苦笑した。


「橘、いい?」


光はそう言って絵里奈を見た。絵里奈は「はいはい。じゃああたしはバイト行くわ」と言ってカバンを手にした。


「あ、えっちゃんまた明日ね!」


菜穂が手を振ると、絵里奈は振り返り菜穂に手を振った。


「じゃあ俺たちも帰ろっか」


光がそう言い、菜穂は嬉しそうに「うん!」と言って立ち上がった。





帰り道、手を繋ぎながら光は菜穂の腕の痣を見た。


「菜穂、偉いけど頑張り過ぎてない?」


「え、ああ、これ。全然大丈夫!むしろ普段動かないから楽しいんだよ」


菜穂はそう言って笑った。光も「本当に?なら良いんだけど」と微笑んだ。


「ありがと!心配してくれて」


「ううん。当たり前だよ」


そんなことを言い合って、2人は目を合わせて微笑んだ。


「あのさ、菜穂」


光はそう言って立ち止まった。菜穂が「うん?」と言うと、光はどこか言いづらそうに口を開いた。


「昨日、楓とバスケしてたの?」


「え?ああ、そうそう!楓ってバスケ部なんだってね」


「ああ、うん。ねえ、なら今度は、俺と一緒に公園行かない?」


「え!いいの!行く行く!!!」


菜穂は明らかに嬉しそうな表情。光も嬉しそうに微笑み「じゃあ来週の水曜日、部活ないから一緒に行こっか」と言った。


「え〜〜楽しみ!!!ありがとう!」


そう言って嬉しそうにする菜穂を見て、光は安堵するように微笑み、菜穂の手をぎゅっと握りしめた。


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