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ずっと君を見ていた

それから2週間。


「今日、どこか行く?」


帰り道、菜穂がそう言って笑った。

光は微笑み「うーん」と上を向いて考える素振りをした。


「ちょっと着いて来て」


光に言われ、菜穂は「え?うん」と不思議そうに光に着いて行った。

2人が着いた場所は、神社だった。


「なんか懐かしくない?菜穂はここで、俺に告白してくれたんだよね」


光はそう言って階段に座った。


「…そうだね」菜穂も微笑み、光の隣へ。


「ねえ、俺がいつから菜穂のこと好きだったかって、話したことなかったよね」


光は菜穂に微笑みかけた。


「ああ、そういえば聞いたことなかったかも」


菜穂も笑った。


「きっかけはね、実は1年の4月。合宿あったでしょ?その時なんだ」


「い、1年の4月っ!?」


菜穂は驚いた顔で光を見た。光も笑いながら「そう」と頷く。


「まだ菜穂と話したこともなかったし、班も違ったから驚くよね。俺もね、最初はまだ全員の名前も覚えてなくて、菜穂のことも分かんないくらいだったんだよね。


でも、みんなでカレー作ったでしょ?それも班が違くて、仲良くなったってわけじゃないんだけどさ。菜穂の同じ班の子が切った具材全部ひっくり返しちゃって、まだ仲良くもないし、その子ちょっと責められてたんだよね。でも菜穂はさ、大丈夫大丈夫って笑って、一緒に洗って、他の人が食べなかった分も美味しいねって一緒に食べててさ。それ自体も優しい子なんだなーって思って見てたんだけど、ひっくり返しちゃった子がいないところでも美味しかったなあって言ってて、その笑顔が可愛くてさ。


だからってすぐ好きになったわけじゃないけど、仲良くなりたいなって思ったのは確実にそこだったんだよね」


「えっそんなことあったんだっけ?はは」


菜穂はそう言って笑った。


「菜穂にとっては当たり前のことだったんだよ。特別なことをしたつもりがなくて、だから誰よりも目に付いた。俺ね、そのとき菜穂の名前知らなかったから、合宿のしおりで名前探してさ。さり気なく菜穂と仲良さそうな人に聞いたりして。それで汐崎菜穂って名前を知って、何て呼ぼうかなとか勝手に考えたりした。でもなかなか話すきっかけがなくて、5月の下旬くらいにたまたま教室で話すきっかけがあって、話したら優しいし、面白いし、可愛いし、明るくて前向きでさ。すぐに好きになった。


でも菜穂はみんなと仲良くて、菜穂のこと好きって言ってる同級生がいたりして、本当自信がなかった。彼氏ができたらどうしようとか思いながら何も言えなくて。でもいつも目で追っちゃうし、話したくて、ちょっと手が触れただけで舞い上がって、会いたくて。菜穂のことばっか考えてた。


3年でクラスが離れて、なんとか話せた時は嬉しくてさ。それで3年になってから菜穂が俺に告白してくれた。本当はね、好きって言われた瞬間抱きしめたいって思ったりもしてさ。一緒にいる時間が増えていけば増えていくほど、もっともっと菜穂のこと好きになって、ずっと一緒にいたいって思って、時間が止まればいいのにって、そう思ってた」

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