光も楓も
去って行く楓の背中を見つめ、菜穂は手に握らされたオレンジジュースを見た。
菜穂は眉をひそめ、少し深呼吸をしてから2年の教室に戻った。
教室に戻ると、「菜穂おっはよ!あ、それ本当好きだね~~」と遥が微笑んだ。
菜穂はジュースを手の「え、ああ...」と苦笑する。
遥はそんな菜穂を見て「どうした?何かあった顔してる」と笑った。
菜穂はみるみる泣きそうな顔になり、「はるちゃん.....!」と呟いて遥に抱きついた。
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「そっかあ。やっぱり楓っち、菜穂のこと好きだったんだね」
昼休み、中庭でお弁当を食べながら遥が言った。
遥に全部話した菜穂は、箸を止めて「うん...」と俯いた。
「それで?菜穂はちゃんと言わなくて良かったの?自分の気持ち。前に『楓のこと好きなのかも知れない』って言ってたでしょ?」
「うん....でも、分からないの。結局あの後も、光くんといたら楽しいし、好きだと思うし、ドキドキする。それなのに楓のことを見ると、つい目で追って、話しかけられると嬉しくて、恥ずかしくて.....もう、分かんない。こんな気持ちになるなんて、私最低だよ....」
菜穂はそう言って箸を置き、涙が零れた。
遥は菜穂の肩を抱き寄せ、頭を撫でた。
「うん。そうだよね。菜穂は桐山と付き合ってるし、桐山のこと好きな気持ちは本当だと思う。でもさ、同時に2人の人を想っちゃうことって、そんなに酷いことじゃないと思うな、私は。だって2人とも魅力的なんだもん、仕方なくない?そりゃ、それで2人付き合ったり、関係持ったりするのは最低だよ?でも心で想うのはほら、思想の自由でしょ?だから菜穂は、自分のこと責めなくていいんだよ」
「うんっ....!」
菜穂は俯いたままボロボロと涙を零した。
「菜穂は、桐山と付き合ってるから断らなきゃって思ったんでしょ?それも正しいと思う。それに、楓っちだって菜穂にちゃんと振ってもらって、区切りつけたかったんだと思う。でも、迷ったまま楓っちに聞かれた質問答えられなくて、彼氏がいるからって理由で振ったなら、桐山にも失礼なんじゃないかな。桐山もね、菜穂のこと大好きなんだよ。大好きだから菜穂とずっと一緒にいたいと思う。でも、同じくらい桐山も、菜穂に大好きでいてもらいたいって思ってるんだよ?迷ったまま、自分を理由に楓っちを断っても、桐山は嬉しくないんじゃないかな。桐山も、楓っちも、菜穂のこと大好きだから、2人とも覚悟があるんだよ。覚悟して、菜穂に答えを委ねてるんだよ。もし迷いがあるなら、ゆっくり考えてもいいと思う。どんな答えを出しても、あの2人なら笑ってくれるよ」
遥は優しく微笑みながら言った。




