さすがにbacknumberかも
「おっはよ〜〜〜って、え……?!」
和葉が学校に来るなり、机に頭を突っ伏している楓の姿が。
和葉は「ちょっ、ちょ、ちょ!どーーーしたっ?!?!?!?」と言って楓の席へ。
楓の背中に手を置き、「楓っ?!?おーい?!」と言って楓の隣の席に腰を下ろした。
「…わ…た」
楓が小さく呟くと、和葉は「ん?!なに?!んん?!」と言いながら耳を済まして楓の顔に耳を近づけた。
「終わった……………………」
それを聞いた和葉は顔を上げ、「終わったって…え?!まさか菜穂先輩?!」と小さな声で楓に言った。
楓は机に突っ伏したままコクリと頷く。
「ま、まじか…菜穂先輩はなんて?」
「俺の気持ちには応えられない…俺の質問にも答えられないって…ごめんなさいって………」
楓は顔を上げ、ムスッとした表情で淡々と言った。
「うわ〜~~~疑いようがないほどストレート〜〜……」
和葉は唖然とした表情で呟いた。
楓は目を細めて和葉を見た。
「…で?これからどうするの??」と和葉。
「これからって、もう何もできないわ」と楓。
「えーでもほら、アピってたらいつか振り向いてくれるかも知んないじゃん?♡」
「いや、無理。顔見れない。見るの怖い」
「何だよそれ。情けな〜〜〜」
「うるさい。だって何話したらいいか分かんーーーー」
楓はそう言いながらゆっくり立ち上がり、廊下を見つめて教室を出て行った。
「え、ちょ、楓っ?何かいざなわれてる?大丈夫かー??」
和葉は心配そうに楓の後を追った。
楓は教室を出るなり自販機の所にいた菜穂を見つけ、「おはようございます」と話しかけた。
そんな楓を見て、和葉は「大丈夫かアイツ…?ストーカー…?」と怪訝な表情を浮かべた。
******
「寝ぐせついてますよ。だらしな」
楓は菜穂の顔を見てそう言って笑うと、自分の前髪を指さした。
菜穂は明らかに動揺した表情で「えっ!?」と自分の前髪を手櫛でとかした。
楓は「嘘です」と言ってクスっと笑い、「いつも通り可愛いですよ」と言った。
菜穂はポカンと口を開け、照れたような表情で楓を見上げている。
「ふは。あ、ちゃんと意識してくれてるんですね。俺のこと」
頬を赤らめてフリーズしている菜穂を見て楓は微笑んだ。菜穂は楓から目を逸らし、窓の方を見ながら言った。
「そ、そりゃ...そうでしょ...!何でそういうこと言うかなあ..!」
「別に。もう俺の気持ちはバレてるしってかもう振られてるし、素直に言ってもいいかなーと思って。ま、俺のことちゃんと男だって分かってたんだなーって知れただけでも満足です。困らせるようなことはしないし、これからも仲良くしたいので菜穂先輩も普通にしてくださいね」
楓はそう言いながら自販機にスマホをかざし、菜穂の好きなつぶつぶのオレンジジュースを買った。
ジュースを手に取ると「はい」と菜穂に差し出す。
菜穂は「えっ?いや、い、いいよいいよ..!」と胸のあたりで手を振った。
「昨日俺の話、ちゃんと聞いてくれたお礼です。どうぞ」
そう言い、菜穂は気まずそうな表情で目を泳がせると、楓はフッと笑って「ほら」と菜穂の手を取り、ジュースを無理矢理握らせた。
「じゃあまた」
楓は微笑むとくるりと振り返り、教室の方へ歩いて行った。
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いつも通り余裕な表情で教室の方へ戻り、楓は穏やかな表情のまま自分の席へ。
そして3秒後、だんだん目が虚ろになっていき倒れるようにまた机に突っ伏した。
和葉は「楓ーーーーっ!!」と言って駆け寄り、また楓の前の席に座る。
「....死ぬかと思った」
楓は顔を上げて言った。和葉は「偉い..偉いよお前...!超普通そうに見えたぞ」と感心したように楓に言った。
「本当?俺大丈夫だった??ちゃんとかっこつけられてた????」と楓。
「大丈夫。お前はかっこいいぞ」
和葉はそう言って楓の肩に手を置く。
楓はまるで息を止めていたかのように一気に息を吐き出し、静かに深呼吸をして言った。
「良かった..俺昨日振られたあともかっこつけたことばっか言ったけど良かったよね..!?それで大丈夫だよね...!!???」
「大丈夫大丈夫...!きっと伝わってる...!!!」
「和葉...今日カラオケ行こ...さすがにbacknumberかも.......」
「おうよっ!!メドレーだな???」
そんな周りが見えていない二人の会話が聞こえ、近くの席にいた礼実は呆れた表情を浮かべた。




