↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
120/133

本気にさせてくれたこと

私が楓をどう思っているかーーーーー。

そんなの分からないよ。


だって私は光くんと付き合ってて、楓はその光くんの弟なんだよ。

私のことが好きって、本当なの?


飛鳥ちゃんとはどうなったの?


どうして私のことが好きなの?

いつから?


私はここで保留していいの?光くんと付き合ってるのに?

光くんが知ったらどう思う?


何ですぐに断らなかったの?

断らないとだめだよーーーーーー。




「楓っ!」


菜穂はそう言って楓を呼び止め、今度は菜穂が立ち止まった楓のところまで小走りで行った。

菜穂は小さく深呼吸をして、楓を見上げた。


「...ごめんなさい」


菜穂はそう言って楓に頭を下げた。

楓は表情を変えずに菜穂の顔を見た。


「ちゃんと言わなきゃいけなかった。私、楓の気持ちには応えられない...!ごめんなさい...ごめんなさい...!それと...楓の質問には答えられない。ごめんなさい...!」


頭を下げる菜穂を見て、楓は「...顔、上げて下さい」と言った。

菜穂がゆっくりと顔を上げると、楓は優しく微笑んだ。


「謝らないでください。菜穂先輩は何も悪くないんですから。言いたくないことは言わなくていいんです」


「楓...」


菜穂は今にも泣きそうな表情で呟いて楓を見上げた。

楓はクスッと微笑み、視線を菜穂に合わせた。


「俺、後悔してません。菜穂先輩と出会って、菜穂先輩と仲良くなって、菜穂先輩を好きになって、菜穂先輩に自分の気持ちを言えたこと。感謝してます。今こうして話せてること、たくさん笑って、たくさん笑わせてくれたこと。俺のこと、本気にさせてくれたこと。ちゃんと振ってくれたこと。全部、ありがとうございます。俺、菜穂先輩のこと本当に好きです。だから、これからも仲良くしてくださいね、後輩として」


楓はそう言うとまた微笑みかけ、態勢を戻した。

菜穂は目を真っ赤にした状態で楓を見つめた。


「...じゃあ、今度こそ帰りましょうか。もう暗いですし」


楓はそう言って、何事もなかったかのように歩き出した。


「ほら、行きますよ。菜穂先輩足遅いし、早く帰らないと朝になっちゃうんですけど」


くるりと振り返り、楓はいつものように笑った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。