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兄弟喧嘩

そしてそんな夜の桐山家。


湊は隣にいる光と、向かい側にいる楓を交互にチラチラ。

2人とも無言でひたすら夕食を食べていた。


湊は『なんだよこの空気....!?2人とも露骨になってるし...!』と思いながら苦笑して、口を開いた。


「きょ、今日のこの煮魚美味しいねー!今日の当番どっちだっけ~???はは...」


湊がそう言うと、光が言った。


「ああ、俺だよ」


それだけ淡々と答え、光はまた黙った。


「へ、へえ~~~....光兄、やっぱ何でもできちゃうよね~~~!ね?楓兄」と湊。


「そーだね。まあ俺も作れるけど」


楓は湊の方を見ることなく答えた。


「へえ、まあ楓は昔からよく俺の真似するもんね。なんでもかんでも」


光も独り言を言うように言った。


「兄ちゃんって結構勘違いするよね。自意識過剰なくらい」と楓。


「そうかな。楓が鈍いから俺がフォローしてあげてると思うんだけど」と光。


「へえ、単純に自分の気持ちぶつけてるだけかと思ってたけど」


「そうなんだ。わざわざ怒らせるようなことする楓のせいにしてたわ、ごめんごめん」


「へえ、それは心外だね。ちょっと想像力足りないんじゃない?」


「そうかな?楓よりはあると思ってたけど」


「ふうん。そんなんだから人のこと疑ってばっかなんじゃない?人間不信??大丈夫?話聞いてあげよっか」


楓はそう言って手を止めて光を見た。光も手を止めて楓を見て言う。


「へえそれは助かるなー。俺の話ちゃんと聞かないで勝手なことするのに今度はちゃんと聞いてくれるんだ?何から話そうかな??」


湊は青ざめた表情で二人を見た。


「いいよ話しなよ、ちゃんと聞いてあげるけど?まあ俺が言うこと聞いてあげるかどうかは分かんないけど」


楓はムスッとした表情で光を見た。


「人の邪魔するのが大好きなんだね楓は。そんなに俺に構って欲しかったならいくらでも構ってあげるよ?」


光も笑みを浮かべながら怒っている様子。


「邪魔してるのはどっちだよ」と楓。


「俺は邪魔してるんじゃない。楓と違ってちゃんと付き合ってるから」と光。


「ちゃんとって、わけわかんない噂に惑わされてたくせに何がちゃんとだよ」


「楓には分かんないよね、だって彼氏じゃないんだから」


「彼氏なのに信じてあげないのがおかしいって言ってんの」


「彼氏じゃないから言えるんでしょ」


「立場に甘えんなよ」


「楓だって中途半端なことして立場に甘んじてるでしょ。バイトを理由に2人になろうとしてさ。いいよねバイトがあって」


「じゃあその立場譲ってあげるから交換してよ。その代わりもう邪魔しないでよ」


「何で俺がそんなことしなきゃいけないんだよ」


「自分で言ったんだろ、俺の立場が羨ましいって」


「羨ましがってんのは楓の方だろ」


「そーだよ、だから譲ってってお願いしてんじゃん」



2人がそこまで話したところで、湊は「あーーーもうっ!!!」と大きな声を上げた。


「2人ともうるさいっ!!夕飯くらい穏やかに食べられないの??てか弟の前でクソみたいな言い合いしてて恥ずかしくないわけ???本当に俺より1年も2年も長く生きてんのかよっ!じゃあ何学んでたんだよバカ兄貴!!!」


湊がイライラした様子でそう言って2人を見ると、2人は我に返ったように「...ご、ごめん」と湊を見た。


「喧嘩するのは勝手だけどさ、そういう無意味な言い争い腹立つからやめてくれる??今兄ちゃんたちが張り合ったって決めるのはその女の子でしょ??俺がその子なら光兄も、楓兄も選ばない!こんな情けない男、2人まとめて振られろバーーーーーーーカ!!」


湊はそう言って最後の1口を口に入れ、「ごちそうさま!」と言って自分の皿をシンクへ。


「俺今日兄ちゃんたちの食器洗ってあげないから。自分で洗ってよね!」


湊はそう言って黙って自分の皿だけを洗い始めた。


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