温かいなあ
翌日の放課後、楓は飛鳥のクラスへ。
入り口で中を見ると、中から「おっ楓。なに、どーしたの?」と話しかけられた。
「え、ああー…」と楓が呟くと、「あっ!飛鳥?付き合ってんしょ?!♡まってて、呼んでくるから」と言われ、「あ、うん…」と呟きその場で壁に寄りかかった。
少しして、昨日とは打って変わってケロッと明るく笑った飛鳥が歩み寄ってきた。
「楓くんっ!」
楓も小さく微笑み、「…今日、一緒に帰れる?」と飛鳥を見た。
飛鳥は「うん…!もちろん!楽しみ!」と微笑んだ。
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学校を出ると、飛鳥は「はいっ!」と微笑み、楓に手を差し出した。
楓は「あ…飛鳥ちゃんあのさーー」と言いかけ、飛鳥は「いいからほらっ!」と言って楓の手を握り、手を繋いで歩き出した。
楓は複雑な気持ちになりながらも、飛鳥に連れられるまま手を繋いで歩いた。
飛鳥はこの日ずっと楽しそうに過ごしていて、楓も一緒にカフェへ行ったり、カラオケで遊んだ。
カラオケを出ると、辺りはすっかり暗くなっていた。
「あ〜楽しかったなあっ!ねえ、もう1個だけ行きたいところがあるの。いい?」
歩きながら飛鳥はニコニコしながら呟いた。
2人の手は繋がれたまま。
「いいよ。どこ行きたいの?」
この頃にはもう、楓は飛鳥のペースに合わせていた。
無論、嫌々じゃない。
ちゃんと楽しいと思って過ごしていた。
飛鳥は「ありがとう!行こっ!」と言って手を繋いだまま河川敷の方へ走り出した。
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「見て見てっ!きれいっ!」
飛鳥はそう言って空を見上げた。
楓が空を見上げると、今日が晴れていたからか、よく澄んだ星空だった。
「わ、きれい…!」
楓はそう言って微笑んだ。
飛鳥は振り返り、「ね!」と笑った。
「楓くんっ」
飛鳥はそう言うと両手を広げ、「ハグ、しよ」と微笑んだ。
楓は「…飛鳥ちゃん」と呟き、飛鳥を見た。
飛鳥は一度俯き、顔を上げると苦笑して自分の方から歩み寄ってきた。
飛鳥はそのまま楓に抱きつき、「…ああ、温かいなあ」と呟いた。
楓はゆっくり腕を回し、飛鳥の頭を撫でた。
飛鳥は楓にぎゅっと力を強めた。
「…楓くん」
言われ、楓は複雑な気持ちになりながら「…ん?」と返事をした。
「別れよっか」




