して欲しいこと
「お、お邪魔しまーす...!」
飛鳥はそう呟きながら楓の家へ。
楓は先に上がり「タオル持ってくるからちょっと待ってて」と言って洗面所へ。
「ありがとう!」飛鳥はそう言って玄関を見渡した。
洗面所から戻ると、「はいこれ」と言って飛鳥にタオルを差し出しながら「どーぞ」と言って二階へ。
楓は部屋に飛鳥を入れ、ベッドに腰かけた。
飛鳥が緊張した様子で立ち尽くしていると、楓はクスっと笑って「何やってんの。座って」と飛鳥を見た。
飛鳥は「あ、う、うん...!」と言ってゆっくりと床に腰を下ろした。
楓は立ち上がり「ブレザーちょうだい」と言ってハンガーを手にした。飛鳥は「ありがとう」と言ってブレザーを脱ぎ楓の手に。
飛鳥のブレザーを窓の縁に掛けると、飛鳥の隣に座って飛鳥を見た。
「他大丈夫?服濡れてたら乾かすけど」
言われ、飛鳥は「あ、うん!ちょっと濡れてるけど大丈夫!ありがとう」と微笑んだ。
「そっか」
そう言って自分もブレザーを脱ぎ椅子に掛けた。
すると隣にいる飛鳥は「あ、今楓くんの匂いがした」と微笑み、楓のシャツの匂いを嗅いだ。
「え、俺の匂い?分かるの?」
楓が笑うと、飛鳥は「分かるよっ。前ぎゅってしてくれた時にーーーーーーーーー」と言って「あ、ごめん」と呟き、態勢を戻した。
「ん?」
楓がキョトンとすると、飛鳥は「ああいや...その、あんまりそういう話嫌かなって思って...」と俯いた。
そう言う飛鳥を見て、楓は「..ごめんね。気遣わせちゃって」と呟いた。
飛鳥は顔を上げ「あっううん!私がもうちょっととかお願い聞いてもらってるだけだから...!」と苦笑した。
「...ありがと。なんか、本当情けないよね。ごめん。何か行きたいとことか、して欲しいことがあったらいつでも言ってね」
楓がそう言うと、飛鳥は一回苦笑してからゆっくり口を開いた。
「こんな風に私のわがままに付き合ってくれてるだけで十分....って優しいこと言いたいんだけど、私本当わがままで。して欲しいことなんていっぱいある」
「ん?なに?」
楓がそう言うと、飛鳥は「えっ、言ってもいいの..?」と楓を見た。
「え、うん。いや俺が言ってるし」
楓に言われ、飛鳥は少し楓を見つめると、ゆっくり手を伸ばし、楓のシャツの裾を掴んだ。
楓が不思議そうに飛鳥を見ると、飛鳥は不安気な表情で言った。
「じゃあ....キスしたい。私のこと好きじゃないのは分かってる。でも...したいの。無理にとは言わないけど....」




