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順調順調

「楓くんっ!」


下駄箱で飛鳥を待っていると、後ろから背中をポンと叩かれた。

楓は微笑み「お、行こっか」と言って2人は歩き出した。


「今日どこ行こっか~?」


あれから、飛鳥とは何度かこうして一緒に帰ったり、どこかへ行ったりしている。

飛鳥があの話を持ち出さずにいてくれているのは正直助かっている。

手を繋ぎながら、楽しそうに言う飛鳥に、楓はクスっと笑った。


「んー、何か食べに行く?」


「うんっ!じゃあ~~パフェ食べたいっ!」


「いいよ」


これでいい。

なんだ、結構楽しいじゃん。

かわいいし、優しいし、楽しいし、別に嫌いなとこなんかない。

俺、案外飛鳥ちゃんのこと好きなのかも。


この間キスされたのだって嫌じゃなかったし。

このままずっとこうして、飛鳥ちゃんと手繋いで歩いて、遊んで、キスして、そしたら結構幸せだったりするんじゃない?


好きって言ってくれるし、俺のこと自慢気に話してくれるし。

こういうの求めてたんだよなあ。


面倒臭いし、彼氏がいる人好きになるとかちょっとバカだったわ。

しかも兄ちゃんの彼女って、バカ過ぎるわ。

最近ちょっと自己肯定感下がりまくってたけど、飛鳥ちゃんといると俺がまともな男だったと思えるし。


順調順調。



******



一通り遊び歩き、17時頃、飛鳥の家に向かって歩いていた頃雨が降り始めた。


「わ、冷たっ!今日折り畳み持ってきてなかったなあ~」


飛鳥はそう言って空を見上げた。

楓は「俺もー。ちょっとどっかで雨宿りしたいけど~...」と呟き辺りを見渡した。

住宅街で、コンビニすらない。


「はは、何もない」


飛鳥がそう言うと、楓は「あー...」と呟き、飛鳥を見下ろした。


「近いし、うち来る?」


楓がそう言うと、飛鳥は「えっいいの...!?」とどこか気まずそうに言った。


「え、うん。なんか強くなってきてるし、弱くなったら送るよ」


「あ、ありがとう....あの、でも、その..」


飛鳥が恥ずかしそうにしている姿を見て、楓は「...あ」と呟いてから言った。


「あ、別にヤりたいから誘ってるとかじゃないよ。安心して」


淡々とそう言う楓に、飛鳥は「わ、分かってるよ...!」と言った。


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