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それでも私は

菜穂はそんな絵里奈を見て、静かに口を開いた。


「..えっちゃんは、私と一緒だったんだね」


言われ、絵里奈は「は...?」と顔をしかめた。

菜穂は少し微笑んだ。


「同じ人を好きになったんだよ。本当はもっと、一緒に恋バナとかできたのに、私が無神経だったから。こんなに近くにいたのに、何も分かってあげられなかった。ごめんね」


「意味分かんない....本当、そういうことが大っ嫌い..!」


「えっちゃんがどんな色が好きで、どんな食べ物が好きで、どんな食べ物が嫌いで、どんな趣味があって、どの教科が得意で、どの教科が嫌いで...って、そういうので全部分かった気になってた。だから私のどこが嫌いなのか、知ろうともしなかった。苦しかったよね、1人でずっと抱えてて」


菜穂はそう言いながら涙を拭った。

絵里奈は菜穂を睨みながら、目から一筋、涙がこぼれた。


「...やり方は間違ってたけど、えっちゃんは好きな人の為に頑張ってただけなんだよね。私が光くんを好きなように、えっちゃんも光くんを好きで、本当はもっと分かり合えるはずだったのに。私が自分の話ばっかりで、えっちゃんの心を見てなかった。いつも笑って話を聞いてくれて、相談に乗ってくれてたえっちゃんのこと、私大好きなの。えっちゃんが私のこと嫌いでも、それでも私はやっぱり..そんな簡単に嫌いになれないよ」


「何言ってんの…?バカじゃないの?本当…本当嫌い…!」


絵里奈はそう言って机を叩いた。


「怒りなさいよ…!光くんはあたしのものだ!って言いなさいよ!そうやって余裕かまして来るとこも嫌いなの!あたしはどんな手を使ってでも桐山を手に入れる!また何度でも邪魔してやるから…!!」


絵里奈はそう言うと立ち上がり、小走りで教室を出て行った。

菜穂は涙を拭い、遥は菜穂の肩に手を置いた。


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