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大っ嫌い

放課後になり教室に残った3人は、絵里奈は窓際の席で足を組んだ。

ムスッとした表情の絵里奈に、遥が口を開いた。


「絵里奈がしたことはもう全部分かってる。それで、何でこんな..菜穂を陥れるようなことしたの?」


そう言うと、絵里奈は少し沈黙した後に言った。


「...文化祭の時さあ、教室で菜穂、桐山と弟とバッティングして喧嘩したでしょ?あれ、傑作だったなあ」


そう言って笑う絵里奈を見て、遥は「そうなの?」と菜穂を見た。

菜穂は小さくうなずいてから口を開いた。


「あれも..えっちゃんだったんだね。ねえ、どうして?いつも..いつも私の相談に乗ってくれてたえっちゃんが..何でこんなことしたの?」


「別に。菜穂のことが嫌いだから。あ、1年の時からずっと」


言われ、菜穂は悲しそうに目を瞑った。


「菜穂ってさあ、いっつも良い子ぶって偽善者で、ぶりっこで面倒臭くて..本当大っ嫌いだった。桐山のことでもそう。桐山と付き合ってるくせに弟のこともたぶらかして、桐山が不安になってること知ってるくせにさあ。だから弟のこと利用してやろうって思っただけ」


絵里奈の言葉を聞き、菜穂の目から涙が流れた。


「むかつくんだよねー。ヘラヘラして他人に守ってもらってるだけのくせに自分が好かれてるみたいな顔してさ。今回だってそう。遥や弟に守ってもらって被害者面して...いっつも損するのはあたし」


絵里奈の表情から笑みが消えた。

そこまで聞いたところで、菜穂はただ悲しい表情で絵里奈を見ていた。

絵里奈はそんな菜穂を見て言った。


「そう、その顔。そうやって自分だけがつらいみたいな顔が大っ嫌い...!桐山がいつも傍にいたんだからいいじゃん..!何がそんなにつらいのよ!」


絵里奈がそう言うと、遥は「..絵里奈」と呟いた。


「なによ」


絵里奈が遥を睨むと、遥は少し言いづらそうに言った。


「もしかして...まだ桐山のこと好きだったの?だから菜穂と桐山のこと、別れさせようとしたの?」


言われ、菜穂は「えっ」と呟いた。

絵里奈はムスッとした表情で黙り込んでいる。遥は続けた。


「...2年の時、絵里奈は言ってくれなかったけど、桐山のこと好きなのかなって思ってた。もちろん想像でしかないけど。桐山と菜穂が付き合った後も普通に過ごしてたし、もう諦めたんだなって勝手に思ってた。でも...桐山と菜穂を別れさせるために嘘ついたんだよね?そうじゃないと、他に理由が見つからない」


遥がそう言うと、絵里奈は「...だったら何なのよ」と小さく呟き、菜穂を睨んだ。


「そうよ..!あたしは..あたしは菜穂が桐山を好きになるよりもずっと...ずっと前から桐山が好きで..!頑張ってたのに..なのに菜穂は...!誰だっていいじゃん..何でよりによって桐山なのよ。弟の方が仲良いじゃん..桐山のこと不安にさせるくらいなら弟と付き合ってよ..!何で桐山を離してくれないの..!!?」


そこまで言われ、菜穂は目を見開いて絵里奈を見つめた。

遥は溜息をついた。


「楓くんにだって感情があるんだよ。彼の気持ち、少しでも考えたの?それに、桐山の気持ちは?菜穂を選んだのは桐山なんだよ。自分の好きな人、自分で不安にさせてどうするの?そんなんで桐山が喜ぶとでも思ったの?」


遥がそう言うと、絵里奈は何も言わずただ唇を噛みしめた。


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