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第33話 分かっていたはずなのに

ドガン!!!


突然の轟音に思わず全員が音のした方向を向く。少し遠くに煙が上がっているのが見える、場所的には街の入り口くらいのところだろうか?多分あそこで何かが起きたんだろう。


「緊急連絡!突如魔物が街を囲むように大量発生!学園の高学年生は救援、教師は直ちに戦闘の援護をお願いします!」


衛兵と思わしき人が学園内を走り回りながら叫んでいる、それを聞きアガット達もすぐさま走り出す。


「おい!お前達も行くのかよ!?」

「当たり前だ!今頃ギルドの方でも緊急依頼が出ているはずだからな冒険者達も向かっているはずだからな!お前達は学園に残ってろ!」


そう言ってアガット達は音が聞こえた方向に走り去っていった。


「私達も行きましょうよ!」

「当たり前だ!街の危機にじっとしてられるわけねえだろ!」

「ルーもいく!」

「ダメですよ!今学園に残れって言われたばかりじゃないですか!」

「知るかぁ!ここでビビってても仕方ねえだろ!それとももうオシッコ漏らしてズボンびちゃびちゃか?」

「なっ!...死んだら末裔まで呪いますからね!」

「安心しろ!意地でも生かしてやる!行くぞ!」

「おー!!!」


4人で学園を出て急いで轟音がした方向に向かう。移動中にパーティーは解除しておいた。敵を倒した時に経験値が分散したらLvが上がりにくくなってLvアップ時の全回復をできるだけ回したいからだ。普通だったら体力しか回復しないが俺の場合は魔力も全回復するからな、魔力回復方法が時間回復かLvアップの2つしかない今は乱戦になりそうな場合はパーティーを解除しておいた方がいいだろう。

街の出入り口に着くとすでに数え切れないほどの人数が治療を受けていた。血だらけで包帯を巻かれてるやつもいればすでに助からないと思えるやつまでいた。門の向こうでは剣がぶつかり合う音、地面を抉る音、銃撃音、色々な音が絶えず聞こえてくる。

俺を含めた全員に改めて緊張が走るのがわかった。


「なかなかヤバそうな雰囲気だな...お前ら覚悟できてるか!?」

「だいじょーぶ!」

「同じく!」

「今更ビビってどうすんのよ!」


全員に改めて確認をとり門を潜って街をでる。

城壁によって見えなかった景色が一気に目に入った。

それを見て全員が思わず戦慄する。学園の先生や街の市民達が血を流し、腕を落とし、血だらけでボロボロになりながらも戦っている。よく見ると学園の制服を着た人も戦っている、おそらく救援を頼まれていたはずの高学年生だ。多分人手が足りなくて先頭に駆り出されているんだ。

俺は今まで、一度自分が死にかけていてもまだ今生きている世界がゲームみたいな感覚で生きていた。

今まで使えなかった魔法が使え、冒険者や魔物がいる。スキルがあってLvがあってダンジョンもある。俺はこの世界を攻略するように生きていた。

だが地面に転がっているあるものを見てその考えが間違いだと思い知らされる。

死体、人間も魔物も関係なく沢山の死体が見える、目を逸らしてもそこには死体。体が切れて臓物が飛び出している、少し口を震わせながらもすぐに電源が落ちたように動かなくなる、剣が無数に刺さっている、体に大きな風穴がある、死体、死体、死体、死体、死体、死体、死体、死体、死体、死体。


「うっ!オエェ...!」

ビチャビチャ!

「ちょっと!?しっかりしなさいよ!」


初めて見る人間の死体に思わず胃の中のものを戻してしまう。この世界では死んだらやり直すことはできない、頭では理解していたはずなのに本能が理解していなかった。それを目の前の景色が無造作に現実を突きつける。

俺は本当に生きて帰れるのか?ピンチになった時にルーやランク、ローズを守れるのか?目の前でみんながあんな風になった時俺h...


ゴツンッ!

「アガァ!?」


突然頭に痛みが走る。いつの間にか目の前にはルーがいた、どうやら俺のことを頭突きしたようだった。


「いきなりなにすんd...」

「だいじょうぶ!ぜったいだれもしなない!」


...まさか実質27歳の俺が7歳相手に、しかもよりによってルーに慰められるとは、情けないものだ。


「創造 精神安定(スピリチュアルカバー)


念のため魔法で精神を落ち着かせる、これはゲームなんかじゃない。1度死んだらもう生き返れたりもしない、漫画みたいに主人公補正が働くわけでもない、ここが今の俺の現実(リアル)なんだ。


「遊び気分とはもうおさらばだな...!」

「ノアもうだいじょうぶ?」

「おう!助かったぞ!ありがとな!」

「心配させないでくださいよ!」

「本当よ!びっくりしたじゃない!」


改めて戦場を確認する、どうやら数では圧倒的に負けてるみたいだが魔物自体にそこまで強い奴がいるわけじゃないようだ。


「とりあえずできるだけ魔物を減らすこと、ヤバそうだったら速攻で街まで逃げる!全員生きて帰ることが絶対条件だ!それじゃあ行くぞ!」

「おー!!!」


改めて腹は括った、もう大丈夫だ。まずはこの戦場で...


「俺の覚悟を証明する!」

多分書いてて一番面白くなりそうだなって

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