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「お前を、この異世界から排除《ドレイン》する……」 ー内閣府裏デジタル庁異世界転生救済課活動記録簿ー  作者: ねず ただひま
同始異終(どうしいしゅう)の章

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陥落

はなぶさ



 えんじゅが発した号令で、伴天連ばてれんの騎士達が俺達に襲いかかる。


はなぶさッ! 千代草ちよぐさを守れッ!」


 九鬼くき班長は俺にそう命じると、戦斧を振りかぶり、一人目の騎士の頭に振り下ろした。その瞬間だった。


 カッ!

 

 ドォォォォーーーーン!


 強烈な光と音を立て、斬られた騎士が、班長の前で爆発したのだ。その衝撃で班長は、戦斧を手放して吹き飛び、受け身を取ることも出来ずに地面に転がった。

 

 辺りを静寂が包む。唖然とした俺達は身動きを取れずにいる。


 信じられない……あの九鬼くき班長が、吹き飛ばされて倒れた?


「しゃあぁぁぁーーッ!ったあぁぁーー!」


 えんじゅは大袈裟にガッツポーズを決め、歓声を上げた。


九鬼くきちゃんと紫雲英げんげとは、いずれ戦うと予想して備えてあった爆弾花火兵じゃ! 中には金属片も入っとるぞ! まんまとかかってくれたのぅ!! 最強、討ち取ったどぉぉーー!!」


 班長はうつ伏せに倒れたままピクリとも動かない。


「嘘だろ!? 九鬼くき班長!」


 心配する俺と千代草ちよぐさが駆け寄ろうとすると、騎士達に囲まれてしまった。


「さぁさぁ、どうするはなふざ? ソイツらは、触れたら爆発するかも知れんぞぉ〜?」


 えんじゅは勝ち誇った顔で扇子を煽いだ。


 えんじゅの言葉を間に受けるつもりはないが、コイツら全員に爆弾が仕掛けられているのか? 爆発の条件は衝撃を与える事か? 絶命した瞬間か? それとも一定の距離に近づく事か? いずれにしろ逃げ場は無くなった。


千代草ちよぐさ好き避け(おいかけないで)は使えるのか?」


 小声で訊いた。


「魔力消費の大きい蘇生魔法ライズを使ったから、ほとんど魔力はありません。今は回復魔法ヒールすら使えません……」


 マズイ状況だ。今使えそうな穢悪エオが思い浮かばない。爆発に直結する技しか思いつかない。


はなぶさ。詰みじゃ……千代草ちよぐさをこっちへ寄越せ、ほしたら命までは取らんど」


 考えろ! 何か手はないか!? 


「私がそっちに行けば、本当にはなぶささんは助けて貰えますか?」


 は? 千代草ちよぐさの突然の言葉に困惑する。


「安心せぇ、約束しちゃる」


「おい、ふざけんな! アイツが約束なんて守るわけないだろ!」

 

 俺は千代草ちよぐさの肩を掴む。しかし、千代草ちよぐさはその手をそっと振り払い、俺を安心させるかのように微笑んだ。


「私はいつもはなぶささんに助けてもらってばかりです。今度は私に、貴方を助けさせてください……」


「ぐ……!」


 情けない……情けない! 


 俺は二人を助けに来た筈なのに、九鬼くき班長を守る事も、千代草ちよぐさを守る事も出来ない。


 俺はまた失うのか? 大切な人を……また


 ……嫌だ……


 なら、死んで守ろう……終極の穢悪エオを使って……


 生命力を魔力に変換し、自身を魔王に変…


「おらぁぁぁぁーーーーッ!!えんじゅぅぅーー!!」


 ! 突然の怒声が町に響いた。思い詰めていた俺は我に帰ると、道の先から馬に乗った兵達が押し寄せて来るのが見える。その先頭にいる男には見覚えがあった。


「あぁん!? 誰じゃあ?」


 えんじゅがサングラスを上に外して目を細めた。


「覚悟せぇぇーー!!」


 俺達の方へ向かってくるのは、山賊の頭領、源八だ。


*次回、『源八大爆発!』

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