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「お前を、この異世界から排除《ドレイン》する……」 ー内閣府裏デジタル庁異世界転生救済課活動記録簿ー  作者: ねず ただひま
螻蟻潰堤(ろうぎかいてい)の章

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35/73

パンツ

はなぶさ


吾亦紅われもこう()()()()()


()()』ではなく『()()()()()


 この短い文章から察するに、おそらく蒲公英たんぽぽ課長は吾亦紅われもこうを見つけていてる。


 そして、俺もすでに吾亦紅われもこうと接触しているだろう。


 紙をカウンターの上に置いて椅子に座り、何処を見つめるでもなくただ思案する。


 最近俺が出会った人物……そいつの登場で課全体にこの慌ただしい展開をもたらした者。


 吾亦紅われもこう松代まつしろである可能性が高い。


 紫雲英げんげ班長の部下のはずだが……なぜネペンテスを使えた? あれの製造方法は不明のはずだ。


 わからない……痛めつけてでも松代まつしろ本人に聞くのが早い。だが、あの蒲公英たんぽぽ課長の特命とあれば、力づくというわけにはいかないだろう。きっと本人の口から『俺が吾亦紅われもこうだ』と言わせなければならないだろうな。


「面倒くせぇ」


 そう呟いた俺の視線は、いつの間にか天井へと移っていた。


 まずは確かめたい事がある。俺はスマホを取り出すと施覆花おぐるまさんへ電話をかけた。


『おう、はなぶさどないした?』


「お疲れ様です、施覆花おぐるまさん。突然ですが松代まつしろの事でお願いがあります」


『急やな、なんや? 言うてみ』


松代まつしろが履いていたパンツをください」


『…………』


 電話のむこうで施覆花おぐるまさんが押し黙る。


はなぶさ……このことは千代ちよちゃんには内緒に……「うるさいですね、とにかく用意しておいてください」』


 俺は一方的に通話を終了した。



九鬼くき


 九鬼くき班専用のオフィスに集まったのは、九鬼くき南天なんてん千代草ちよぐさの三名。


 施覆花おぐるまは引き続き松代まつしろの取り調べ。鉄線てっせんは療養中。はなぶさは別任務に就いている。


「本日、諜報員の芙蓉ふようが二人目の迷子ロストチルドレンの座標を発見した。蒲公英たんぽぽ課長からの直接の使命により、二日後に奪還作戦を敢行する。質問は?」


 南天なんてんが眉根を寄せて九鬼くきたずねる。


「班長、偽の三人目の情報の件がありましたが、今回は間違いないのでしょうか? 俺達をまた誘き出すための罠という可能性はありませんか?」


「あるかもしれない……だが、二人目の迷子ロストチルドレンが放つ生態波長を捉えたのは間違いない。千代草ちよぐさ鉄線てっせんを襲った奴がそこに張り込んでいる可能性もある。警戒は必要だ。それについては後で説明する」


「班長」


 次いで千代草ちよぐさが挙手をした。


迷子ロストチルドレン奪還後、すぐに医師に診てもらう為、ポイントRに緊急車両の配備をしたいのですが」


「あぁ、そうだな、許可しよう」


「それと……今回は私と南天なんてんさんと九鬼くき班長の三人ですか?」


 千代草ちよぐさは少しだけ心配そうに九鬼くきたずねた。


「本当は、前回狙われた千代草ちよぐさを連れて行きたくはないのだが、残すより安全だと判断した。

お前の事は私が必ず守る。それと、今回はえんじゅ班が私達をサポートしてくれる手筈てはずになっている。そして……」


 九鬼は一度言葉を留めると、タブレットの画面をスクロールする。


「この作戦を同時展開する…」


「これは!?」


 南天なんてん千代草ちよぐさはその内容を読んで同時に一驚いっきょうした。


*次回、『プリプリ魔法少女 アイラちゃん⭐︎』

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