港で《カンナギ・リュート》
毎度毎度、更新が遅れてしまい申し訳ございません。
今回から第2話スタートです。
「ふーん…でそれが《世界を揺るがしかねない何か》が入ってる筒って訳か。」
「そうだ、ちなみに何が入ってるかは私も知らない。おそらく、情報の類だとは思うが…。」
ジハリマ村をでてからおよそ、四時間ほど経過していた。
もうすぐ、港町である《リマニ》に到着する。
「なるほどね…じゃあ、ロゼの目的はその銀の筒に入った《何か》を世界警察の中枢に届けるってことか?」
「そうなるな。上手くいけば、ニーレン皇国の勢いを失墜させることが出来るはずだ。」
ニーレン…
確かに今の世界を牛耳ってるのはあそのだしな。
俺もあの国、好きじゃないし。
というか、ロゼって世界警察のメンバーだったのかよ…
「で、俺たちは今どこを目指してるんだ?」
「デカルトの…正確には《ネェル・デカルト》だが、そこの北の都、《ヤーニューク》
の《世界警察第3支部》に向かっている。」
デカルトか…前に1回カナンに連れられて行ったことあったっけ。
「そこで、その筒を渡してお仕事完了か」
「そうだな、あくまでもこの任務について…だが…そのあとも色々と仕事はあるだろう。」
「…わかってたけど、大変な旅になりそうだな…。」
「仕方ないだろう…なんたって世界を変革させようとしているんだからな。」
うー
変革か
実際聞いてみると途方もない目標だな…
あのロゼが付けている、筒一つで本当にそんなことが出来るのだろうか…?
「さ、そんなこと言ってる間に見えてきたぞ。」
お、着いたのか。
「へぇーここが《リマニ港》か、結構賑やかだな。」
「まぁ、一応国際便もあるくらいの港町だからな、これくれいの人の往来は当然だろう。」
町に入ると、その騒がしさがより一層、増加した。
露店や屋台が道に所狭しと配置されている。
「でロゼ、ここからは?」
「ここからは、船に乗るぞ。海を渡って、デカルトに入れば、だいぶ道のりを短縮できるからな。」
海かぁー
なんかワクワクするなー
「船か!なんか冒険っぽいな!」
「リュート…遊びじゃないんだから…あんまりはしゃぐなよ?」
ぐ…
お叱りを頂いてしまった。
でも…その通りだな
反省するか。
「ごめんロゼ、俺集中力が足りてなかったのでよ…」
「ん…分かれば…いいんだ…
あ!!すいませんそのハリーケーンポティト三つください!!!」
そう言うとロゼは屋台の方に駆け寄っていった。
おい…
遊びじゃないんじゃないの…?
「あ…いや!これはその…アレだ!腹が減っては戦は出来ぬと言うじゃないか!
決して遊んでいるわけじゃないぞ!」
「いや…別にいいけどよ…。」
港町を歩く、ロゼの指の間には鍵爪のように芋を刺した串が挟んである。
「むぅ…みんなが私の方を見ていふな、やはり女性がこんな食べ方をふるのが、ふぁしたないからだろうか?」
…それもあるだろけど
こいつ、死ぬ程美人だしな…
美少女と芋串、めちゃめちゃアンバランスだ…。
…そりゃ、人の視線集めるだろ
「取り敢えず、食べ終わってから喋りなよ…。」
「モガ…それもそうだな。」
ちなみに…ロゼが満足するまではおよそ、一時間を要した。
「ふぅ…満足だ。すまないな!リュート!」
「まー俺も楽しかったし、全然大丈夫だよ。」
楽しかったのは本当だが
この先の旅がとても不安になった…
勿論、本人には言えないが。
「ていうか、結構お金持ってるんだな。」
「んーそうでもないな、ただ活動資金という名目で、いくばくかの蓄えがあるのは事実だがな。」
そう言って、ロゼは懐から大きな財布を取り出した。
なるほど、確かにそれなりにある様には見える
「へぇ、気前がいいな世界警察は。」
「…だからこそ失敗は出来ないんだ。ここまで来るのにも…多くの犠牲をはらったからな…。」
先程までとは打って変わりロゼは神妙な顔つきになる。
「すまない、重い空気になってしまったな。それでは船のチケットを買うとしよう。」
「…おう。」
世界を変える…か
どうしても、その実感がわかない。
俺はカナンが殺された訳を知りに、この旅に同行してるけど、ロゼと行動を共にするってことはそれ相応の責任が俺にもあるはずなんだ。
けど、ロゼの話はどこか突拍子もなさすぎて、頭では分かっていても
理解することは出来ない。
まるで雲をつかむような話だったからだ。
「どうした…リュート?」
俺の不安そうな顔を察したのかロゼが気にかけてきた。
「………この旅絶対に成功させような。」
「…あぁ、モチロンだ。」
今の言葉…本心…ではある。
けど、どこか後ろめたさを感じられずにはいられない、そんな気持ちだった。
船着場に着くと、ロゼと俺はチケットを購入するためにそこそこ立派な建物に入った。
「いらっしゃい。なんの御用かな?」
「えーと、ヤーニュークに行きたいだが…どこの船着場が一番近くまで行けるかな?」
「ヤーニューク?随分と遠いところまで行くんだねぇ。」
無精髭を蓄えた受付のおっさんは不思議そうにこちらを見つめてくる。
「あそこは大都市だからねぇ…憧れない理由も分からなくはないけど、船で行くなら〈サランゼルス〉のが近くていいんじゃないかい?」
「それも良いが、急な用事でな。悪いが観光ではないのだ。」
「ふーん…まぁ、ヤーニュークに行きたいなら《ウオスタス》がいいかなぁ…丁度一時間後に出るしな。」
「分かった、ではウオスタス行きで頼む。幾らだ?」
「お嬢さん、1人かい?年は?」
「16だ。」
「そうかい、なら大人1人で《70000kid》だね。」
「な、70000kid⁉︎た、たかいな…。」
「遠いからねぇ…機関車ならこの倍は行くよ?」
機関車か…
前にカナンが乗ったことあるって言ってたけど…
一体どんな乗り物なんだろう…。
「むぅ……仕方ないか、それでは二枚頼む。」
「アレ?お嬢さん1人じゃないのかい?」
「あぁ、後ろの彼も一緒だ。」
ん〜?
と受付のおっさんが俺を覗き込んできた。
そしてニヤッと笑って出した首を引っ込める。
「なるほどねぇ…坊ちゃんも一緒かい…それじゃあ、特別価格の13万kidにしとこうか。」
「本当か!…それで頼む!」
なんだ、そのニヤニヤ顏は
変な想像すんなよ、おっさん。
チケット自体はつつがなく購入することが出来たが、あの後、おっさんに小声で耳打ちされた。
「うまくやりなよ…少なくとも5日は夜を共にするんだからよ…。」
「…はいはい。チケットありがとな。」
「また来いよー。」
大きく手を振り、それに応えるロゼ。
「なかなか、良いおじさんだったな。一万kidも安くしてもらったぞ。」
「…あぁ、そうだな。」
「…リュート?なんだか顔が紅いぞ?」
「え…あ、いや、なんでもない!なんでもない!早く乗る準備をしよう!」
くそ…少しだけ想像してしまった…。
…本当ゴメン、ロゼ…。
「…そうか。なら良いんだ。これから船なのに体調を悪くしてもらっては困るからな。」
「その…悪いな、チケットとか買わせちゃって…。」
「何を言うんだ、リュートは私のボディガードだろう?これくらい突然さ。」
それと!
とロゼ俺の鼻に人差し指を突き立てる。
「こんなことでいちいち、かしこまんなくて良いぞ、これから私達は同じ旅路を共にする仲間なんだからな!遠慮はいらないぞ。」
呆気にとられたように目を丸くしてしまう。
「分かったか?」
ズイとロゼが顔を近づけてくる。
ちなみに
まつ毛ながっ
と思ったのは内緒である。
「…おう…分かった。」
「ん…よろしい。」
そう言って離れてしまう、ロゼに少し残念と思ってしまう。
「さぁ、それじゃあ買い出しにいこう。
チケットで半分近く貯蓄が飛んでしまったからな!なるべく安いので頼むぞ、リュート。」
…とりあえず、旅は不安だけど
ロゼと一緒ならなんとかなるかもしれない。
そう思えてきた。
それに…今は、ロゼと一緒にいるのが楽しい。
今は取り敢えず、それだけで頑張れる
…なんだか、ワクワクが止まらなかった。
「…任せろ。俺の交渉術を見せてやるよ。」
照れっぱなしで、今の俺にはこれくらいの強がりが精一杯だった。
私事ですがようやく、お気に入りの数が二桁になりました!
とっても嬉しいです。
これからもよろしくお願いします。
読んでいただきありがとうございました




