自称偽物(?)との模擬戦─其の四─
今回は長編です。
だから投稿も遅くなったのです!(言い訳)
◆◆◆
〈〈警告!警告!両腕の負傷が80%を超えました。これ以上無理をすると機械に深刻な影響を及ぼします!〉〉
·····ほら見ろ、クソボロじゃねェか。
((·····冗談だろ?))
「残念だが、冗談ではなさそうだなァ。つうかお前、一体何していやがったんだ?ぉい」
オレがキツい口調で問いただすと、答えが帰ってきた。
((·····空間中あちこちを破壊し回っていました))
「キッパリと理由を述べるのはいいことだがよォ、この状況でのそのカミングアウトは褒められねェな」
全く。こいつは一体何をしていたんだァ?つうか、なんで破壊活動なんてやってたんだァ?
((仕方ないだろ?意識が戻ったら謎の空間に居たんだ。状況を確認するためにやってんだよ))
·····こいつは常識というものを知らねェのかもしれない。普通は少し歩き回ってみたり、周りの様子を見てみたりと、そういう行動を取るもんなんじゃあねェのか?
オレはそう思った。
((·····お前の方が常識が無いように思えるのだが─ゲホッ、ガッ!?))
おおっと大丈夫かなクロさんや?意外だな、機械兵でも咳をすることがあるんだなぁ?ケハハハハ!
いかにも、心底驚いたぜ─とでも言うように第二の性格は中に居るヤツに言い放った。
(·····後で覚えていろよ)
中に居るクロは、今の腕の状態以上にボロクソにしよう─そう決意したのだが、それを行うのは少し先の話である。
おっと、何かとズレてしまったな。
まぁそいつはともかく、だ。今はそんな事をしている場合じゃねェ。
状況が状況だ。今はオレの目の前に表示されている文字を見てみる。
──両腕の負傷が80%を超えた──
これはつまり、両腕に深いダメージがあるという事だろうなァ。
((それぐらいは誰にでも分かるのでは····?))
うるせェよ、こんな状況にした元凶がァ。
((·····言い返せないから腹立つな))
あとは、これ以上無理をすると機械に深刻な影響を及ぼす、というところか···。これは一体···?
「余所見ををするなと言っているだろう、クロ?」
((余所見をするなと言われたばかりだろうが、この馬鹿))
狙ったかのようなタイミングでお嬢はやってきた。しかも、お嬢と本人の声がハモった。
·····狙ってんじゃねェのか?まあいいか。
ともかく、オレの考え事は一旦辞めることをしなければならなくなった。
取り敢えず、腕は使えない物だと考えて闘うとしよう。
そう決意したのだが──
──この決意は直ぐに破られることとなる。
そしてまた、模擬戦が再開する事となる。
◆
さて、まず模擬戦の再開──の前に、機械を乗っ取ったヤツは隊長に話しかけていた。
「クロから聞いた通り、案外趣味が悪いですね、お嬢。···そんな貴方も素敵でs
((お前にそんな話一度もしたことも無いし、サラッと気色悪い行動と同じことを言ってるんじゃねえよ!))
なぜこいつは突っかかってくるのだろうか?事実を伝えただけなのになァ?
((違う!断じて違う!少なくとも、お前とそのお話について話したという点は捏造だ!))
·····どうでもいいわ。面倒くさ。
中に居るヤツから、ピキッ という音が聞こえたのだが、気のせいだろう。
「小僧が、と言ったということは、やはりお前はクロでは無いということだな?」
「この模擬戦をする前に述べましたが、オレはクロでは無いですね。ただ、正確にはオレはァ小僧であってそうでは無い、という存在です」
「それはどういう事だ?」
「それは···いや、まだお教えしません」
((!?お、おい!どういう事だよ?))
·····あァ?教えようか─と思ったが、やっぱり止めたんだよ。お嬢ばかり贔屓してちゃあ恨まれる原因になっちまうからな。
((·····もう意味が無いと思うが))
·····ァア?
((···いや、何でもない。忘れてくれ))
チッ、不快な野郎だ。まァ良い。
「教えないというのか?それまた何故だ?」
「お嬢も、小僧と同じなんですか···」
((馬鹿!煽らない方がいいって!))
「···それは、疑問か?」
「いいえ、落胆ですよ。小僧も、何故?どうして、と繰り返し繰り返し行ってきたのでね。つまりは」
「こっから先は質問ではなく、模擬戦で勝利を収めてからものを言え、と言うことだな」
「···正解です。お嬢様。やはり小僧とは大違いですねェ」
((喧嘩売っているのならば買うぞクソ野郎))
中のヤツは放っておき、オレは感心をしていた。
このエレンという名の我がお嬢様は、あのアホよりも感が鋭く、オレの言いたいことを汲み取ってくれる。
流石だ!優秀ですね、我が姫よ!
それはさておき、今オレがやっているのは会話兼時間稼ぎだ。さっきの具合から次の行動パターンを的確にしたいのだが·····これが今は不可能に近い。情報が足りなさすぎるからだ。
やはり、また闘り合うしかないな·····。
「さて、ここらで話は終わりにしましょう。次は─」
「ああ、分かっているさ。···最後に一つだけいいか?」
まァ、内容によるなぁ。
「お前、名前はなんて呼べばいいんだ?」
はァ、名前か···名前?そう言えば、そんな事全く考えちゃいなかったなァ。どうしようか···。
((······ワタシに考えがある。聞け))
考えだァ?ろくでもなかったら壊すからな?
((どうとでもしろ。いいか、お前はワタシなのだろう?ならば、ニックネームのうちの一つをお前の呼び名にすればいいのではないのか?ちなみにだが、ワタシは大体『クロ』と呼ばれている))
ほぅ、いい考えじゃねぇか。
「いいなァ、それ」
「何がだ?」
オレはお嬢に、さっき電脳の中で話し合った事を説明した。
「はー、なるほど。アイツ頭いいなあ。うん、いいんじゃないかな?」
「では、オレの名前は?」
「お前は取り敢えず···黒丸だ!」
「了解した!良いなァ、ぉい」
「さて──」
話も済んだ。オレには『黒丸』という名が付いた。それだけだ。だか──電脳のどっかでは、満たされたトコがあった。
そして──両者は向かい合い、戦闘は静かに、熱く始まった。
模擬戦の再開。勝利の女神はどちらに?
あと、全然長編ではなかったですね···




