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ガラクタ機械兵のエンディング  作者: 中峰裕也
第一章 泥沼戦争
13/16

自称偽物(?)との模擬戦─其の五─&+α

投稿が遅れます。理由は私的な事です。

ゴメンなさい

──クロ視点(模擬戦再開の直前)──


·····もしかしたら、アイツの方が対戦闘向けの頭脳と技術(アーツ)を持っているのでは無いのだろうか······。

だとしたら、このワタシの存在意義は一体どこに有るのだろうか?


·····あ、どうも。少し存在について悩みを抱えてきたクロです。

ついさっきまで、機械(カラダ)の主導権を奪ったクソ野郎──改め、黒丸の野郎──の行っていた戦闘や会話をアイツの視点を通じて見ていました。

···この変な敬語もいいか。なぜ敬語を使っていたのだろうか?


まあ、ともかく、私はこの中からアイツの行動全てを見ることが出来る。そういう事だ。


さて、今の状況なのだが、アイツの呼び名を"黒丸"と決めてから、二人とも最後の戦闘(もぎせん)にすべく精神統一(?)のようなものをしている。


エレン隊長ならばそれをする意味は分かるのだが、ワタシは野郎·····ではなく、黒丸が精神統一する理由が理解出来ない。

確かにワタシのような機械兵(サイボーグ)は、人間で言うところの神経回路に近いものは存在する。

だが、それはあくまでも、歩く・走る等の動作をするためのみの物。しかも、"精神"は機械兵(サイボーグ)には()()()()()


なのにアイツは、視界を暗くして一歩も動くことなく静止している。不思議なものだ。

これは形は違えど、()()()()()()()()なのにも関わらず、二人とも不意打ち等をする気配を感じられない。

この認識は間違っているのだろうか?


その事に関してのみ、ワタシは不思議な感覚を感じている。


─当たり前のことでも、許すことが出来ない─


そんな感覚がカラダ中を渦の様に巡り巡っている。ワタシも案外、常識から逸した存在かもしれないな···。


話が逸れた。ま、精神統一の件は置いておくとしよう。それよりも、ワタシはアイツに協力する──受け入れる──事を決めた。理由は不明だ。

アイツの思考回路に染まってきているせいかもしれないし、ワタシ自身が決めたことかもしれない。

ついさっきまで、もう訳が分からなくなるな、とまで思った程だ。自分自身でも相当理解不能な決意を行ったのだろう。

ワタシは他人事のように感じていた。


()()()()()()


ワタシは違和感を感じないまま、行動に移っていく。



一つだけ気掛かりな事がある。先程の事だが、アイツが気になることを言っていた。


「カラダの中から嫌な音が聞こえた」


と発言をしていたのだ。

しかも、ワタシがいる場所からだ。


その場所とは······もうお分かりだろう。

──電脳の中だ。

ワタシがあちこちを破壊し回ったため文句は言えないのだが、アイツの発言にどうも不安?のような事を感じてしまう。何も起きなければいいのだが······。


その時はその時だ。対策を練ろう──その時に備えて。

·····どうやら始まるようだ。

気に食わないが、全力で協力していこうか!



───そして、最後の模擬戦が始まる。



◆◆◆


──黒丸視点──


·····んァ?電脳(なか)であいつが何かをしているようだがァ···一体何やってんだァ?迷惑を掛けんじゃあねェぞ·····。


今の状況だが、オレら両方が精神統一をしている。これはオレの癖のようなもんだ。

住んでいた国では、なんて言ったけなぁ·····。

···思い出した。確か·····


武士之心得(ブシノセイシン)


っつうヤツだなァ。意味はよく分かんねぇが、確か、自分の慢心を戒めるために数百年前から行っていたと親父(・・)に聞かされた。


確かオレも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()·····。


···?ありゃあ?()()()()()()()()()()()()()()?可笑しいなァ·····まァ良い。それよりも──そろそろだな。


「···さァて、そろそろ始めるとしましょうか·····お嬢──いや、隊長」


オレはお嬢──いや、隊長を一人の対戦相手として定め、そう宣言した。

理由は簡単だァ。いつまでも茶番を続けるわけにはいかないからだ。


「そうだな。そろそろ落ち着いてきた頃だろうからな。私も──お前も」

「?『私も』」

─それは一体どういうことですか、と聞こうとしたところで感覚全体が危険性を発して来た。


それと同時に機械(カラダ)が感じる吹雪のような寒さ。どうやら触れてはいけないレッドゾーンに触れるところだったようだ。あっぶねェ···。


「···そうですね。オレも少しは落ち着きましたよ、隊長」

「···さっきまで私の事をお嬢だのなんだの言っていたがもう良いのか?」

「えっ!?まだ言っていいんですか!?なら遠慮なくおじょ─」

「冗談!冗談だ真に受けるなこの馬鹿!!」


···軽い冗談のつもりだったのだが···貴方の方が間に受けていませんかね?しかし口に出すことはしない。

学習するんだよ、このオレは。


「······まァそれはともかくとして、始めるとしましょうか」

「ああ、そうだな」


さっきの様子とは打って変わって、姿勢を正して向き合い、両者剣呑な雰囲気を出している。

まだ一歩も動かしていないのに、二人の警戒度は増していくばかりだ。


時刻は午前二時。

あれだけのことがあっても()()()()()()()()()()()()()


静かな夜のクロ/黒丸だけの秘密の訓練場になる筈だった場所には、機械兵(サイボーグ)にある特有のモーター音と、帝国の極秘部隊の隊長の心臓の鼓動音が微かに聴こえるのみ。

一分一秒が過ぎる度に、それは僅かながら大きくなっていく。



黒丸/クロは──


──キィィィィィィ シュァァァァァァ ビビビッ

『コマンドノ起動ヲ確認 パスコード:OOX(ダブルオーエックス)···認証 全力形態(エクステンド)ヘ移行シマス』


──この模擬戦(たたかい)に勝つ為に二人三脚の名の通り、協力し合いながら全力に向けていた。


エレンは──


──スゥゥー フゥゥー ·····ハァァー


──歴戦の戦闘員でもそうでなくても、見た者ならば、嫌でも戦場での姿を彷彿させるであろう、"死の傭兵"に恥じない姿に雰囲気ごとその身を変貌させていた。


そして──シャッ、ダッという足音がすると同時に、常人では認識不可能な、音速レベルの模擬戦が再開した。



そしてもう一人?と言うべきなのだろうか。

いつの間にか空から二人の戦いを見守ろうとしていたナニカが、雑音にも鈴の音にも聞こえる声で、こう呟いた。


『確認されました。Code960および960’とエレン・シークの世界的(アストラジー)スキルの発芽の確認。その数は四です。


Code960&9()6()0()()は、


世界的(アストラジー)スキル:『科学ノ狂者達(ジキルハイド)』,『人間ノ始祖(アダム&イヴ)』の会得を成功させました。

両スキル、完全解放まであと48%です。


Code960は、称号『始まりの一人』『悩める探求者』を獲得しました。

Code960’は、称号『冷酷な鑑定士』『紅色の荒者』を獲得しました。


エレン・シークは、


世界的(アストラジー)スキル:『戦女神(ヴァルキリー)』,『闘神(アレス)』の会得を成功させましました。

両スキル完全解放まであと43%です。


称号『駆け巡る者』『瞬滅』を獲得しました。


以上で確認を終了します。


·····面白い奴らもいるもんですね。

とても珍しい・・・まさかスキルを得るだなんて。もしかしたらこの世界初なのでは無いでしょうか···。

あの二人···特に、()ならばこの力を·····託せるかもしれない』


あるひとつの人外の存在が、僅かな希望を持ち始めていたことに、まだ二人は気付いていなかった。


これに気付くまで、あと──少し。

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