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Legend of kiss1 〜雪の王子編〜  作者: 明智 倫礼
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満月の夜

 ーーーーーー真っ白な地面。

 辺りに広がる静寂。

 青白い月の光。

 暖かな風に運ばれてくる、土や緑の匂い。


 にじむ視界の中。

 命が尽きようとしている人を強く抱きしめていた。


 どうしようもないくらいの悲しみ。

 どうしようもないくらいの切なさ。


 泣いている。

 自分は泣いている。

 にじむ視界は涙のせい。


 どうして……どうして……。

 

 急速に広がり出した切なさに、胸が締めつけられ、


 わかってくれる人なんて……。


 ボロボロと、涙が頬を伝い。

 こぼれ落ちてゆく。


 ただ、側にいるだけで……それだけで……。


 冷たくなってしまったその人を強く抱きしめ、


 胸が苦しくて、苦しくて……。


 見上げた空には、綺麗な満月が浮かんでいた。

 優しい風がそっと吹き抜けてゆく。


 置いて……いかないでくれ……ーーーーーー

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