第46話 迷賊の運命
最大迷宮『英雄の試練』、第5階層。
俺たちは、4階層を難なく進み5階層に降りてきた。
「ここは、石でできている通路だな」
「しかも、迷宮になっているようね」
「ということは、敵にゴーレムが出てきそうだな」
「とりあえず、進もうぜ~」
「ですね」
敵は、『石ゴーレム』『ゴブリン』『蝙蝠』『鎧幽霊』が出てくるが
俺たちの敵ではなかった。
「あの『鎧のお化け』は攻撃してこないよな」
「大きな盾で『ゴブリン』たちを守っていたわね」
「変な、魔物ですね~」
「みんな、そこの部屋で休息しましょう」
「じゃ、安全確保してくるか」
洋二とエミリー、リリーは部屋の中に入り、
中にいた『ゴブリン』と『蝙蝠』を相手に無双する。
「よし、片付いた」
「はい、みんな休息をとってくださいね」
俺は皆に、召喚したドリンクを手渡していく。
この中で疲れが一番ありそうなのは、ウィリアム君だが
彼は休憩のたびに、ドリンクを飲んで仮眠をとっているようだ。
そのそばにはいつも、馬場さんがついている。
「それにしても、私たち以外の『探索者』を見ないね」
「それは、俺たちの出発が朝早かったからだろう?」
「それにしては、人がいなさすぎです」
「そうね、シェーラの言う通りかも」
「て、ことは『迷賊』がいるかもな」
「イザベラさん、『迷賊』って…」
「ああ、ダンジョンで『探索者』相手の盗賊だよ」
「洋二、いるみたいだな」
「ああ、これは楽しみだな!」
「あなたたちねぇ……」
「まあまあ、ミュールが呆れるのもわかるけど…」
「シェーラ、コージ様たちは楽しみって言っているのよ?」
「確かに、呆れますね」
「ネルも言うわね…」
「だってフィリ様、『迷賊』の恐ろしさがわかっていなのですから呆れますよ」
「「うんうん」」
エミリーとリリーがそろって頷いている。
「いいですか、『迷賊』が最も恐ろしいところは不潔だということです」
「「「え?」」」
「『迷賊』はダンジョンを生業にしています、だからダンジョンからめったに出ません。
なので、風呂にも入らずそのままでいるのです」
「え~と?」
「フィリ様、考えてもみてください。
そんな『迷賊』につかまった女性たちの末路を……」
女性陣全員が、震え上がった。
「なあ浩二、女性陣の戦闘力が上がった気がするのだが…」
「奇遇だな、俺もそう思った」
何せ、楓と雪も震え上がったみたいだからな……
「さて、そろそろ探索を再開しようぜ~」
「「「おお」」」
「……みんな気合が入っているな」
俺たちは5階層を突破し、6階層へ入った。
「マスター、前方に人が6人います」
「マスター、後方に人が10人現れました」
「「どちらも、臭い人です」」
「…『迷賊』ですね」
女性陣の目が光る。
「あ~、とりあえず戦闘準備して待機ね」
そして、デカくて汚い筋肉男が現れる。
「はいはい、ここまでご苦労さん」
「ここから生きて引き返したければ、女と金を置いて帰りな」
男たちはニヤニヤ笑っている。
「はい、『迷賊』決定」
「女性陣の皆さん、やっておしまいなさい!」
「「「おお!!」」」
そこからは蹂躙だった。
藤倉さん、馬場さん、七瀬さんが前方の『迷賊』をボコボコにすると、
後ろの方にいたやつが逃げ出そうとするが、すぐに藤倉さんに見つかり
馬場さん、七瀬さんの前にひき釣り出されボコボコにされる。
イザベラ、エミリー、リリー、シェーラ、ミュール、ネルが、
一人づつ、確実に止めを刺していく。
前方の『迷賊』がピンチなのを察知した後方の『迷賊』が合流すると、
ジニーとフィリミアナの魔法が火を噴き、一瞬で消し炭になった。
後方に避難していた何人かの『迷賊』は、辛くも消し炭にならなかったが
逃げ出したところを、楓と雪によって始末された。
「・・・・・浩二、『ハーレム』って言っていた俺を殴りたい」
「まあ、気持ちはわかるよ」
「「…」」
ウィリアム君とアリアちゃんとリリルちゃんは、俺に捕まって震えていた。
「大丈夫だよ~、みんな怒っているだけだからね~」
俺は三人の頭を撫でながら、なだめていた。
ダンジョンで泊まる際は、風呂は必須だな……




