彼らの本能
月日が流れた夜。起こさないようにそっと起きた。
「…」
誰にも教わってないのに扉を開けた。部屋の奥に行くと一本の刀があった。
「あった…」
刀を手にした。肩に乗っている者もそれを確認した。階段も静かに降り、玄関を開けた。三日月が二人を照らした。
「ナイト。帰ろう!」
「あぁ。明楽。行こう」
二人はそこから消えた。
「はぁ〜疲れたな」
ライトは教授室で項垂れた。
「最近、クロ君どうですか?」
桶谷もいた。
「元気だぞ。ただ、相変わらず他人嫌いだけどな。でも、しょうがない。何かのきっかけで克服してくれたらいいんだけどな…」
すると、携帯が鳴った。
「ん?金田さんからか…」
ライトは電話に出た。
「はーい」
“ライトさん!大変だ!明楽ちゃんとナイトがいなくなった!”
「へ…えぇ!?」
桶谷はライトの声で驚いた。
「どう言う事だ!」
“とりあえず来てくれないか?私もあずささんも探してるんだ!”
「わかった」
電話を切った。
「桶谷くん。居なくなってもいい?」
桶谷は何かを察した。
「あ、はい。大丈夫です」
ライトは急いで準備した。
「ごめんね」
指を鳴らし消えた。
金田の家に着いた。ノックする手前で扉が開いた。
「ライトさん!」
金田が出てきた。
「金田さん。何があったんだ」
金田は泣きそうだった。
「今朝起きたら、明楽ちゃんとナイトが居なくなって、一階のリビングにも居なくて。昨日鍵かけた玄関も何故か開いてて…」
ライトは玄関扉をみた。
「あの子…ドアノブ届くな。でも、鍵は開けれんだろ」
鍵は子供が届かないところにあった。
谷川か…?でも、金田の家知らないはず。まさかレイ?でも、狙わない言ってたし…。
そう考えていると、ふと思い出した。
「金田さん。刀ってまだある?」
金田は頷いた。
「物置に置いてある」
金田とライトは物置に向かった。
「ここだ」
金田は扉を開けて驚いた。
「え…ない」
ライトもみた。
「ここに置いてあったんだな」
金田は頷いた。すると、あずさが来た。
「あぁ、ライトさん」
「あずささん」
あずさは泣いていた。
「私が…見てなかったから…」
金田はあずさを抱きしめた。
「私も見てなかったんだ」
ライトは考えた。
刀の存在は、私と金田さん夫婦しか知らない。どう言う事だ?
「ここら辺は探したよな?」
金田とあずさは頷いた。
「拉致…にしては、考えにくい。だって、刀の存在知ってるの…ここにいる人たちだけだから」
「どう言う事?」
ライトは頭を掻いた。
「でも…まだ子供だろ…でも、行くとしたらどこだ?」
「ライトさん?」
あずさはライトを見た。
「もしかしたら、自分で行動したかもしれん」
「え!?」
金田とあずさは驚いた。
「あの子らは人間じゃない。あくまで龍だ。私たちの想像を超える行動をする」
ふとライトは思い出した。
あそこか…?
「金田さん。ちょっと来て欲しいところがある」
「どこだ?」
ライトは金田の手を取った。
「あずささんも行こう。確証は無いが、思い当たるならあそこしかない」
ライトは指を鳴らすと、三人は消えた。
「ライトさん。ここは?」
あずさは辺りを見渡した。どこかの山の中だった。
「ちょっと歩くよ」
久しぶりに来た山。ライトはどこか懐かしく感じた。
「ライトさん。まさか、あの時。毎晩ここに通ってたのか?」
「あぁ。シルビアに会いにな」
すると、滝の音が近づいてきた。
「え?滝?」
あずさは辺りを見渡すと、一つの岩肌が遠くにあった。
頼む。いれくれ。
ライトは祈っていた。しばらく歩くと、大きな滝が目に入った。
「…!」
「何だここ…」
「すごい」
滝の向こうに洞窟が見えた。
「ここでシルビアと毎晩会っていた。出産もここでだ」
洞窟をそっと覗いた。
「いた」
金田とあずさも覗いた。
「明楽ちゃん。ナイト…」
「よかった…」
明楽とナイトは洞窟で遊んでいた。ライトは安心した。
「よかった〜」
その場にへたり込んだ。
「連れ戻そう…」
金田が動こうとしたが、ライトは止めた。
「ダメだ。連れ戻しても、あの子達はここに来る」
「え…ここに置いて行けってことか!」
「それは違う」
ライトは立ち上がり、明楽とナイトを見た。
「明楽とナイトは、帰趨本能でここへ帰ってきたって思ったら筋が通る。ここは、あの子達のお母さんが居た所だからな。だから、戻ってきたんだろう」
金田とあずさは明楽とナイトを見た。
「じゃぁ…私たちは何を…」
「ただ、見守るだけだ。あの子達に危害がない範囲で見守るしかない。そもそも、それを選んだのはあの子達だ」
「…」
金田とあずさは黙った。ライトは辺りを見渡すと、一羽のカラスを見た。目で合図すると、カラスは飛びライトの腕に捕まった。
「金田さん。あずささん。私が、明楽とナイトを見守る」
ライトの腕のカラスが鳴いた。
「彼らに協力してもらう。明楽とナイトには、なるべくそのままで生活させたい。だから、この子達と一緒に見守る。カラスなら、自然に溶け込めれるからあの子達も警戒しない」
金田とあずさはまだ受け入れられなかった。
「こんな…まだ幼いのに…」
あずさは泣いていた。
「でも、それが現実だ。人間じゃない。龍だから」
ふと、ナイトがこっちを見た。やばいと思い、三人は隠れた。
「ナイト。どうしたの?」
明楽の声が聞こえた。ナイトは明楽に向き直った。
「ふぅ〜」
金田はどこか腹を決めた。
「あれ見てたら、そうだな。いずれ、私達のことも忘れるんだろうな…」
金田はあずさを抱きしめた。
「龍は記憶力がいいと言われてるから。明楽はわからないが、ナイトは覚えているだろう。私達が関わった事」
すると、夕日が傾いた。
「私達も帰ろう。あの子達の邪魔をしては行けない。大人は、優しく見守ろう」
「ライトさん」
あずさはライトに声をかけた。
「明楽ちゃんとナイトを、これからも見守ってください」
あずさは頭を下げた。
「いやいや。頭あげて。あずささん。元は私が頼んだ事なのに、結果的にこうなってしまったんだ。本当に…申し訳ない。でも、私は、明楽とナイトを見守る」
「ライトさん。私からも、よろしくお願いします」
金田も頭を下げた。
「とりあえず帰ろう」
ライトは明楽とナイトを見た。
「…」
二人の手を取り指を鳴らし消えた。
「ただいま」
城に帰ってきた。
「お帰りなさい。今日遅かったですね」
クロが出迎えてくれた。
「色々あったんだ…ん?」
テーブルに夕飯が置いてあった。
「兵士たちの食堂もう閉まったから、用意したよ」
「あぁ…ありがとう」
ライトは椅子に座った。
「何かあったの?」
クロも椅子に座った。ライトは用意されたご飯を食べた。
「あぁ。明楽とナイトがな」
「何があったの?」
ライトは頷いた。
「金田さんの所からいなくなってさ」
「え!?」
クロは驚いた。
「でも居たから安心して」
クロはホッとした。
「よかった。最近会いに行けてなかったから…」
「まぁな。でも、当分は会えんと思うぞ」
ライトはお茶を飲んだ。
「どう言う事?」
「あの子は龍だ。人間じゃない。今は金田さんのところではなく、私の大切な人が居た所に二人で暮らしている」
「…」
「私たちは、ただ見守るだけだ」
あまりよくわからなかったが、納得するしかなかった。
「叔父さん。一回だけ連れてってよ。そこへ」
ライトはクロを見た。
「いいだろう。今度の休みに連れて行ってやる」
「うん」
ライトはクロの頭に手を置いた。
明楽とナイトも大きくなったが、クロも大きくなったな…。
「ご馳走様。わざわざ用意してごめんね」
「いえ。遅くなったら、代わりに作りますよ」
「…小学生に食事の用意とか…私…ダメだな…」
ライトは気まずそうに話した。
「俺も出来ないことあるし。できる人がやってもいいんじゃないんですか?」
クロは食器を片付けた。
作者「今日…とんでもないことに気づいてしまった…」
ライト「どうした?」
作者「アコースティックギターの事を、アコスティックギターだと勘違いしてました。アコースなのを知らなかったです」
ライト「あ…うん。私も気づいてなかった。なぜ気づいた?」
作者「ちょっと、ライブに行っているシーンを書いている時に、ふと調べたら…あ゛あ゛っ!て」
ライト「まぁ、気づいただけでもいいんじゃない?」
作者「まぁ…今後も気をつけます。気づいたら直していきたいと思います」




