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月に恋した親子 - Moonlight Story -   作者: 三日月明楽
第2章 親子の成長
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宿泊学習

「クロさま。今月宿泊学習ですね」


馬術の練習後、初老の兵士がクロに声をかけた。


「はい…でも、本当は…」


「なんでも勉強です。楽しんで行ってきてください」


初老の兵士が励ましてくれた。


「先生の時はあったんですか?」


初老の兵士は記憶を辿った。


「いや…なかったかな」


「いいな…」


クロはブーツを脱ぎ、靴に履き替えた。


「学校行ってきます」


「いってらっしゃい。気をつけて」


クロは指を鳴らし消えた。




「宿泊学習の班を決めたいと思います」


クロ以外皆が楽しみにしていた。


「班は先生が決めてきました。今日は、班の人達と役割分担を決めてもらいます」


班ごとに固まった。


「リーダー誰にする?」


皆が話し合ってる中、クロは気配を消していたつもりだったが。


「クロ君も何か言ってよ」


声をかけられた。


「え…俺は…」


「もういいや。リーダーさ、クロでいいんじゃね?」


お調子者が話した。


「えっ!?」


「だって、話し合いに乗らないじゃん。めんどくさい事クロに押し付けようぜ。俺たちは楽しく過ごそうぜ!」


「そうね!」


勝手に決められた。クロは焦った。


ど…どうしよ。


その後の話し合いは耳に入ってなかった。




「…!」


クロは何処から投げられるかわからない丸太を手甲鉤で粉々にした。


「まだあるぞ」


ライトはどんどん攻め込んだ。複数同時でも切れるようになった。


「…」


頭上に広げられた丸太の雨も粉々にした。


「腕上がったな」


クロは汗を拭った。


「はい。ありがとうございます」


クロは手甲鉤をしまった。


「今度、別の稽古をしようと思うが」


「ん?」


「弾丸を避ける練習だ。簡単だろ?」


クロは難しい顔をした。


「俺…それできるんですか?」


「さ〜わかんない」


「…」


「でも、宿泊学習終わってからだな。教えるよ」


宿泊学習という言葉でクロはビクついた。


「ん?」


「あ…いや。なんでもありません。あ、もう夕飯でしょ?行きましょ?」


「あぁ…うん」


ライトは何処か違和感を覚えた。兵士たちの食堂へ二人は入った。


「お!クロさま。待ってた。ちょっと手伝ってくれるか?」


「あ、はい」


クロは手を洗い、厨房に入った。


「クロもよく手伝うな〜」


ライトはお茶を飲んだ。


「ライトさま。知らないんですか?」


机を拭いていた兵士が声をかけた。


「へ?」


「クロさま。学校から帰ってきたら、ライトさまが帰って来られるまでここで料理の練習謙手伝いしてますよ」


ライトは驚いた。


「は!?いつから!?」


「えぇ…いつからだろう」


覚えていなかった。


「後で聞こうかな」


しばらくすると、兵士たちも続々入ってきた。その中にウルフもいた。


「あ、ライトさん。お疲れ様」


「お疲れ様。なぁ、ウルフはクロがシェフの手伝いしてるのいつから知ってる?」


ウルフも驚いた。


「え!?そうなの!通りで学校から帰ったらすぐに何処か行くな思ってたら、ここに来てたのね」


ウルフはクロを見ると、何かの仕込みをしていた。


「まぁ、いいんじゃない?誰かさんは料理できないし」


ウルフはライトを見た。


「うっ…しょうがないじゃん…」


ライトはお茶をブクブク鳴らした。


「でもさ、いつかクロの手作り弁当持たせてくれたりして」


ライトは笑った。


「あいつも忙しい。ないない」


すると、クロが料理を持ってきた。


「はい」


「今日はトンカツか!うまそう」


クロも席についた。クロのご飯はてんこ盛りになっていた。


「いただきます」


「いただきます」


ライトとクロはトンカツを食べた。


「うまいな」


クロは頷いた。


「私も食べる!」


ウルフもトンカツを食べた。


「美味しい」


食べ進めた。


「なぁ、クロ」


「ん?」


クロはライトを見た。


「いつから料理の手伝いしてるんだ?」


クロは素直に話した。


「初めて友達…カラスと帰った時におやつ作って欲しいって頼まれて、それから楽しくてしてる」


「ふーん…あいつら。味覚えて私のおやつ食べないのか…」


「叔父さんの市販じゃん」


クロに突っ込まれた。


「俺の手作りだし」


「…」


何も言えなかった。


「手作りには敵わないよね〜」


ウルフも横目で笑った。


「うぅ…」


夕飯を終え、ライトとクロは部屋にいた。


「クロ。宿泊学習近いな。用意した?」


その言葉にクロはビクついた。


「い…いえ。まだ…」


「ん?楽しみじゃないの?」


クロは頷いた。


「だって…勝手にリーダーに…そもそも行きたくない…」


クロは椅子に座って小さくなっていた。


「あ〜まぁな。でも、いい事もあるかもしれん…」


「叔父さんはどうだったの?」


ライトは少し考えた。


「行った事ないかも」


「え!?」


「施設育ちだったし。周りみんなが他人同士で寝てたからな〜」


「…」


「でも、クロのその他人嫌い。少しは克服した方がいいと思うんだけどな」


クロの頭に手を乗せた。


「まぁ、頑張れ!」


「…うん」


クロは頷いた。




宿泊学習当日。


「はい。みんなバスに乗って行きましょうね」


クロもバスに乗った。窓の景色を見ると、木にカラスが止まっていた。そのままカラスは何処かへ飛んだ。


「それでは移動しますよー」


バスは動いた。




「クロさ。今日から宿泊学習なんだよね〜」


教授室で桶谷と話ししていた。


「懐かしいですね」


「でも、あいつ嫌がってたんだよな」


桶谷は驚いた。


「そうなんですか?みんな枕投げとかしてましたよ?まぁ、俺とロイはただ眺めてましたが」


「クロは…他人嫌いなんだよな。絶対寝れないだろうな…」


ライトは何処か心配していた。




案の定、クロは目を開いていた。


寝れない…。


他の子のいびきや先生の巡回の音で寝れない。


手甲鉤か木刀…持ってこればよかった。こっそり素振り練習できるのに。


夜は長い。


朝…戻って馬に…でも、先生怒るだろうな。宿泊学習は来なくていい言われたし。


布団にくるまった。


まじうるさいし。俺が寝てる時に。


クロは親から暴力を振るわれる過去を思い出した。震えていると、誰かに叩かれた。


「うわ!」


驚いて声を上げると、シッて指を立てられた。佐藤だった。


「クロ君。寝れないの?」


クロは縦に首を振った。


「大丈夫?先生と一緒に来る?」


クロは首を横に振った。


「頑張って寝ます」


佐藤は頷いた。


「寝れなかったら、先生のところに来ていいからね?」


佐藤は巡回を再開した。


「はぁ…あ、本読めばいいじゃん。懐中電灯と持ってきたんだった」


起こさないように音を立てずにカバンを漁り、本と懐中電灯を持ち布団にくるまった。


「先生が来る前に消さないとな」


英語の本を広げて朝まで読んでいた。


やばい…寝不足だ。


レクリエーションの山の散策も全然楽しくなかった。


お昼の時間。みんなでカレーを作ることになった。


「はい。みんな。手を洗って作りましょうね」


クロはずっとあくびをしていた。


「おいリーダー。ちゃんとしろよ!」


同じ班の調子者にどつかれた。


「…じゃぁ、これ切ってくれる?」


クロはジャガイモを手にした。


「嫌だよー。おい。クロに任せて遊ぼうぜ!」


クロ以外みんな何処か行った。


「まぁいいや。一人でやった方が早いし」


クロは手際良く野菜と肉を切り、魔法で火を付けご飯も炊いた。


巡回の先生が生徒たちに優しく教え、クロの班を見た。


「え!?もうできたの!?しかも一人で!?」


他の班はまだアタフタしているのか、まだ野菜を炒めているところもあった中、クロだけご飯もカレーもできてた。


「うん。一人だったので、集中してできました」


どう声を掛ければいいのかわからなかった。


「他の子は?」


「知らない。みんな何処か行きました。どうしたらいいですか?」


「…先生が呼んでくるから。待っててくれる?」


「うん」


先生が何処かへ行くと、クロの肩にカラスが乗った。


「すごいな。一人で」


「うん。シェフさんのおかげだよ。帰ったらお礼言わないとな」


カラスは頷いた。しばらくすると、先生に連れられてきた班の子達がきた。カラスは何処かへ飛んだ。


「クロ君に謝りなさい!自分の仕事を放棄したらダメでしょ!」


「ごめんなさい…」


「とりあえず、クロ君に感謝して食べましょう。冷めてしまうから」


クロは丁寧にご飯だけを分けていた。


「ご飯だけ分けたから、カレーは好きなだけかけてね」


「クロ…お前そんなに食うのかよ」


クロのだけご飯は山盛り。


「学校のご飯は我慢してるけど、いつもこれだけ食べるよ」


カレーもたくさんかけてクロは食べ始めた。


「お前ばっか大盛りずるい!」


何か文句を言っていたが。


「だって、俺一人で作ったんだよ?みんな何処か行ってただろ?手伝ってもないのに文句言うなよ」


クロは初めて反抗した。班のみんなは仕方なしに食べた。


宿泊学習も終わり、バスに乗り学校へ向かった。


「みんな気をつけて帰ってね」


先生たちに見送られ、みんな帰路に着いた。


「やっと帰れる…」


歩いてると、さっきの調子者と取り巻き三人が立っていた。


「お前さ、ボッチなのに調子乗りすぎ!」


殴りかかろうとしたが、クロは避けた。


「え?」


「何してるんだ!」


取り巻きたちも殴りかかろうとしたが、全て避けた。その光景を別の先生が発見していた。


「何してるの!」


「やべ!」


調子者と取り巻きたちは逃げていった。


「クロ君。大丈夫?」


先生は心配していた。


「うん。全部避けたので怪我はしてないです」


そう言い残し、クロは帰宅した。


「ただいま…」


「おかえり。宿泊学習どうだ…」


ウルフが言い切る前に、クロはライトのベットで倒れた。


「え!?」


ウルフはクロを起こしたが、眠っていた。


「寝てないのね」


そのままベットに寝かせた。しばらくすると、ライトも帰ってきた。


「ただいま」


「おかえりなさい。クロ寝てるわ」


ライトの予想は当たっていた。


「だと思った」


ベットに向かい、クロの頭を撫でた。


「よく我慢したな。偉いぞ」


ライトは部屋の明かりを消しウルフと一緒に部屋を出た。


作者「宿泊学習。書いてて懐かしいなって思いました」

ライト「カレーは本当?」

作者「本当。宿泊学習の泊まる場所が、○○少年自然の家みたいな感じのところに泊まるんですけど。覚えてるのは、古い二段ベットあって蚊に刺されまくった記憶しかありませんw」

ライト「やばw」

作者「レクリエーションも色々やりましたよ。山散策とか、ロープにぶら下がって池にダイブとか色々やりました」

ライト「めっちゃ楽しそうじゃん」

作者「覚えてる範囲ですけどね。でも、クロは眠れてないんですが、作者は爆睡してましたね…」

ライト「何処でも寝れるタイプの人?」

作者「何処でも寝れますね」

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