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拾捌
昂輔と一緒に教室前まで戻ってくると、優志がジャージを持って待っていた。
「お前らっ!?教室にいないと思ったらまさかのサボりか!!紅葉なんて二時間連続だし、昂輔なんて俺に注意までしたってのにっ?!」
「優ちゃん落ち着いてよ。それとごめんね、今回は紅葉は何も悪くなし、どっちかって言うと僕が悪かったんだ」
失笑を交えながら言うと、ぎゃあぎゃあ騒いでいた優志が急に静かになった。
「・・・・・・何かワケありか?」
「別に昂輔は何も悪いことはしてないんだけどさ」
「優ちゃんのクラスって、僕たちのクラスの数学教師と同じだったよね?」
「・・・・・・あぁ、察しがついたわ。あのクソ教師、ほんとクソだな」
優志は握り拳を作り、顔を歪ませた。
自分の事じゃないのに、代わりに怒ってくれる優しい優志。喧嘩っ早くて口は悪くても、誰かの為に笑ったり怒ったり、泣いたり出来るのは優志のいい所だ。
どれだけ先生に好かれようと、クラスメイトに尊敬されようと俺は昂輔と優志の二人が居れば・・・俺自身を見てくれる二人が居ればそれでいい。
「ありがとう、優志」
その気持ちが嬉しい。
だから俺はこの二人には笑顔で“ありがとう”を言いたい。




