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弓塚の実力

 弓塚と六花はチームを組み、各地に散らばったティターンズの構成員を捕縛していた。

 2人だけのチームではあったが、2人の相性は良く、数々の怪人を倒していた。


 正直六花は弓塚の実力を疑っていたが、実際にチームを組んでみて考えを改めた。

 一言で言えば弓塚は、オールラウンダーで活躍が出来るヒーローだった。

 時には、遠距離射撃を得意とする六花の壁役として活躍し、またある時は自身も得意な弓を使い、六花と同時に射撃を行う事もあった。


 総じて言える事は、どのシチュエーションでも弓塚はハイパフォーマンスで戦える、優秀なヒーローだという事だった。


「ハアァッ」


 弓塚のハイキックが的確に顎を撃ち抜く。怪人は意識が飛んだのか、糸を切ったマリオネットの様に崩れ落ちる。


「すごいですわね。さすがSランクへの昇格が間近と言われるだけの事はありますわね」


 それを見ていた六花は素直に賛辞を述べた。


 倒れた怪人は元ティターンズのAランク怪人だったはずだ。決して弱い怪人ではなかったが、六花の援護射撃の必要なく、ものの数十秒で倒してしまった。


「そんな事ないわよ。六花ちゃんが他の戦闘員の相手をしてくれたからよ」


 六花の周りには、暴徒鎮圧弾を撃たれた戦闘員が倒れていた。しかしそれを差し引いても、弓塚の戦闘能力は確かなものだった。


「弓塚さんさえいらっしゃったら、サイタマ支部は大丈夫なのではなくて?」


 お世辞抜きで、六花はそう思っていた。


「あはは。そんなわけないじゃない。少なくとも私はこの支部で一番強いわけじゃないからね」


「いえ、でも他の方で、そんなに腕の立つ方はいらっしゃいませんでしたよ」


 六花は感じていた事実をそのまま述べる。正直魔力量1つとっても、弓塚より上のヒーローはいなかった。


「そんなことないわよ。桜花ちゃんがいるでしょう?」


「えっ?姉はBランクですわよ?Bの割にはかなり強いと言っても、さすがに……弓塚さんには及ばないのでは?」


 そう評価せざるを得ないほど弓塚の実力は高い。現に米国でも、弓塚よりも優れたヒーローは数えるほどしかいなかった。


「でも彼女はティターンズの総帥、クロノスを倒したわ。桜花と戦っていた時のクロノスの最大魔力量は、私の約2倍。桜花ちゃんの魔力はクロノスのさらに3倍の量があると検知されてるわ。もちろん戦いは魔力量だけで決まるわけじゃない。でも彼女の魔力量は間違いなく、サイタマ支部では最大なのは間違いないわ」


 弓塚の約6倍。その強大な魔力に、六花は自分の姉ながら戦慄した。それほどの力がある人間を、自身の母、神前千花以外には知らなかった。


「大丈夫!六花ちゃんの実力も相当なものよ。多分数年で私よりも強くなる。8歳でその実力はやっぱり千花さんの娘なんだなぁって思う」


 予期せぬ母の名前が出た事に、少し六花は驚いた。


「マ……母を知っているんですの?」


「昔ね……色々ご指導頂いてね。今の私があるのはあの人のおかげなの」


「昔のお母様ってどんな人だったんですの?」


「うーん。一言で言うなら豪快な人って感じかなー。あんまり言うと後が怖いんだけど」


「ぜひ聞かせてくださいまし。何か弱みとかないのですの」


「えっいや!?ない事もないんだけど……まっいーかーな。もう時効よね。これはアメリカで初めて千花さんと会った時の話なんだけどね…」


(早速出会いの時からやらかしてるわけですわね……)


 六花はそう思わずにはいられなかった。

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