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桜花の容体

「なんですの!?これは?」


 英雄機関での桜花との面会。

 開口一番、六花が口にしたのは驚きの声だった。


 病室に横たわる姉の姿は凄惨なもので、未だ呼吸器が外れていなかった。点滴や心電図など様々なコードをつながれている姿は、状況の悪さを物語っている様に感じた。


「見つかった時は正直、生きているのが不思議な状態でね。身体中の筋肉は断裂していたし骨折も多数、内臓破裂も起こしていたの」


 正直怪我をしたと聞いていたが、これほど重症だとは思っていなかった。六花は英雄機関のヒーロー弓塚に桜花の容体について説明を受けていた。


「ただどうにか一命は取り留めてね。今は身体は悪いところはないの。ただ……」


 桜花はベッドにただ仰向けに寝かされていた。眼は開いているが、焦点が定まっていない。


「ずっとこの状態なの。もしかしたら六花ちゃんの声を聞いたら戻って来てくれるかと思ったんだけど……そんなに都合良くはいかなかったみたいね」


(それはそうでしょうね。これが初対面みたいなものですから)


 六花にとって、神前桜花が姉という意識は元々薄かった。

 姿こそ写真などの媒体を通して知っていたが、自分の記憶では今日のこの日が初対面になる。

 六花の呼びかけで目を覚まさないのは、不思議な事でもなんでもなかった。


「これからも時々でいいから声をかけてあげてね」


「……わかり……ましたわ」


 かといって肉親のこんな姿をみてショックを受けないわけでもない。六花は返事をするのが精一杯だった。


「あ、後自己紹介が遅れたわね。私、弓塚由美はあなたとチームを組む事になっているわ。これからよろしくね」


 弓塚は六花に右手を差し出す。


「よろしくお願いしますわ」


 六花はそっと弓塚の手を握った。

 英雄機関の隊員は不足しているし、姉は当分目覚めそうもない。


(私が頑張るしかなさそうですわね)

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