正義の味方
「六花っ!! 紅太郎!!」
桜花は部屋に入るとすぐに紅太郎と六花を見つけた。
桜花の格好は戦闘用の特殊スーツでなく、ただの制服だった。もちろん簡単な防弾性のなどはあるが、怪人との戦いに耐えられるようなものではない。
「おっとそこから動くんじゃねぇぞ。この俺が念じればこいつらに巻きつけてある爆弾がドカンだ。一歩でも動いたら爆発させるからな!!」
ボマーが叫ぶと、紅太郎達の身体のいたるところに爆弾が出現した。込められた魔力から、致死性の威力がある事を瞬時に理解する。
「ーーわかった。私はどうなってもいいから早く二人を解放してくれ」
桜花は完全に敵意がないことを示し、両手を上げ棒立ちになっていた。
「お姉さま。私たちはどうなってもいいから! こいつを倒してください」
「そうだ。おれたちは大丈夫だ。こいつの爆弾は大したことねー。ちっとぐらい怪我するかもしれないけど。死にはしねー。だからおまえはこいつを倒せ。おまえならこんなやつ一撃だろ!!」
紅太郎と録花は必死になって桜花に叫び続けるが、桜花はその場から一歩も動くそぶりを見せなかった。
「いいんだ。六花、紅太郎……二人を守れるのなら私はどうなってもかまわない」
「お姉さま!!」
「へっいい心がけだな。そこを動くなよ。お前が言うことを聞けばこの二人は生かしておいてやる」
言いながら怪人は右手の銃口を、桜花の身体に照準を合わせていく。
「くっやめろぉっ!!」
「お姉様ぁーー」
紅太郎の叫びを無視して、怪人は桜花に向けて銃弾を発射した。紅太郎のシールドをいとも簡単に貫通した特殊弾丸だ。
ギィィィン。
金属に着弾したのかとおもわせる音をあげると、同時にその身体が大きくよろめく。
しかし桜花に訪れた変化はそれだけだった。
「あぁん?」
怪人が怪訝そうな顔を浮かべる。
放たれた弾丸は、紅太郎に放たれたのと同じ特殊弾だ。
実際、桜花の制服には、着弾した跡らしき焦げ跡が残っていた。
「ぐ……ふざけんじゃねぇ!? この化け物がぁ!!」
再び怪人は銃口を向け桜花に乱射する。
弾丸は全弾桜花に命中するが、その身体を大きくよろめかせただけだった。
額の中央部にも着弾していたがその傷は致命傷には程遠く。一筋の血液を垂れ流すに過ぎなかった。
ガチャッガチン、ガチンッ
打ち終えたボマーはは息も荒く銃口のトリガーを引き続けるが。銃弾は発射されなかった。
「くそッ!! どうなってやがる。S級でも殺せるはずだぞっ!!」
ボマーはいきり立ち、その掌に今までで最大の魔力を集中させる。
「これはっ!!」
「お姉様っ!!」
ボマーが振り絞って集めた魔力は凄まじく、桜花でも無事に済むとは
「これでっ!! 死ねっ!!」
桜花の周囲に突如出現した爆弾は、凄まじい爆音を轟かせ、その身体を紙切れの様に吹き飛ばした。




