表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/52

襲撃

「馬鹿なっ! そんなわけがないっ」


 紅太郎の声がつい大きくなる。


「どういうことだ。お前らがやっているのかっ?」


「落ち着いてください。もちろん我々ではありません」


 ザザッ。

 通信にノイズが混じる。


「敵の狙いはなんだ?」


「敵? どなたと話してるんですの?」


 紅太郎の言葉に隣にいる六花が声をあげる。紅太郎は身振り手振りで身を低くするように指示した。六花も状況を察知したのか紅太郎の指示に従う。


「おそらく敵の狙いは紅太郎か六花。この場から桜花を遠ざけ2人を狙ってます。速やかにその場から離脱してください」


「ッ!」


 背筋に悪寒が走り抜ける。と同時に凄まじい殺気が紅太郎にぶつけられる。


「くそっ!! 避けろっ!!」


「えっ」


 間に合わないと察知した紅太郎は、瞬間的に防御壁を展開し六花を庇う。


 と同時目の前が白い光に覆われ……


 ズガァァァン


「がっ」


「キャアアッ」


 防御壁を貫通するほどの衝撃が、紅太郎達を襲った。


 紅太郎と六花は吹き飛ばされ地面を転がる。


「おい!! 大丈夫か?」


 紅太郎はすぐに起き上がり、声をかけるが返事がない。


「ふん。なかなかしぶといじゃねえか。ただの雑魚かと思ってたが」


 目の前に現れた怪人は、言いながら手のひらにに魔力を集中させ爆弾を作り出す。


 こいつまさか……


「ふん。どうやら覚えているようだな」


 目の前に現れた怪人は、本物の九条紅太郎に重症を負わせた怪人「ボマー」だった。


 紅太郎の胸がざわつく。こいつは危険だと本能が告げている。

 落ち着け。確か昔のこいつの格付けはAマイナス。油断の出来る相手ではないが、桜花と比べたら明らかに戦力不足だ。怪人に変異できない紅太郎でも、多少は渡りあえるはずだ。


「死ね」


 ボマーの右腕は手がなく、代わりに漆黒の銃口が装着されていた。


 その銃口が紅太郎に向けられ、轟音とともに弾丸が発射される。


「っがっ」


 その弾丸は紅太郎の何層にも展開したシールドを一瞬で貫通し、肩口に突き刺さる。


「ば、馬鹿な。なんだこの威力は」


「本当にたいしたもんだな。この銃は弾丸も特別製でな。戦車の装甲も撃ち抜く代物だ。こないだ雑魚ヒーローに撃ったら一撃でバラバラだったんだがな」


 幸い弾丸は貫通しているが、ダメージは浅くない。当たりどころが悪ければ即死の可能性もある。


「まあいい。人質は1人いれば十分だからな」

 そう言ってボマーは気絶している六花の腕を掴み、吊るし上げる。


「このクズが!! ふざけやがって!!」


 紅太郎は怒りに任せて立ち上がり、ボマーに向かって駆け出す。


 六花が捕まってしまった以上、逃げるという選択肢はない。脚に魔力を集め更に加速する。


「ふんっ受け取れ!!」


 ボマーは六花を思い切り振り回し、紅太郎に投げつけて来た。一瞬避ける事を考えたが、ボマーは宙に浮く六花に向けて銃を構えている。


「くそっ」


 これでは紅太郎が盾になって防ぐしかない。


「ああぁぁっー」


 右手を突き出し渾身の魔力を込めて、シールドを展開する。


 ドンッ


 放たれた弾丸は近くにあったベンチを粉砕する。どうにか弾丸を逸らす事ができたようだ。


「いやたいしたもんだ。ならこいつはどうする?」


 ボマーが腕を振ると同時に、紅太郎の足元に倒れている六花の周りに無数の爆弾が出現する。


「っ!!」


 次の瞬間、紅太郎の身体を爆破の衝撃が包んだ。


 


「かはっ」


 体中が熱い。俺は生きているのか。

 とっさに自身と六花に防御壁を展開したおかげで爆死は免れたものの、ダメージは深い。


 更に六花を守るためにシールドの大部分を使ったため、紅太郎は無数の傷を負っていた。

 流れ出る血液と共に、体中から力が失われていく。


「今のでまだ生きているのか? 本当にたいしたもんだ」


 褒められても何も嬉しくない。そのまま力なく紅太郎は地面へと倒れゆく。


 くそっ。怪人にさえなれれば。

 変身を試みるが、やはりその前兆すら現れない。

 紅太郎は地面に無様に倒れながらも、怪人を睨みつけていた。


「お前には一応利用価値があるからな。殺す気で攻撃したが生きてるなら好都合だ。人質は何人いても困らない」


 人質?こいつ何言ってやがる。


 ……まさか!?


 一つの可能性に思い当り、紅太郎は体に再度力を入れる。


 そんなことは許されない。


 俺のせいであいつが、神前桜花が倒されてしまうなどあってはならない。


 地面に倒れながらも身体に魔力を巡らせる。立ち上がろうとするが、指先が僅かに動いただけだった。


 紅太郎の視界が真っ赤に染まっていく


 俺のせいで桜花がまた……


 そこまで考えたところで、紅太郎の意識は完全に途絶えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ