第三話 みんなで行こう!ジャスコ町
広畑村役場の村長室では、僕と秘書がいつものように会議をしていた。だが、いつもの会議ではなかった。氷のように冷えたお茶を、一気に飲み干した。
「この夏休み、この広畑村の学生はどこで遊ぶか…。これは問題である。スマホで一日溶けるなんてやってほしくないからな。青春を過ごしてほしい。村長としてもこの問題に取り組んでまいりたい。」
「いや、どうせ皆ジャスコにいきますよ。」
「ジャスコ!?」
この会話をきっかけに、我々(2人)はジャスコ町に車で視察に向かった。
ジャスコ町とは説明しよう!旧村名「豊川竹村」という立派な町名だったが、昭和58年に「ジャスコ」ができた瞬間、「ジャスコ様万歳ー!ジャスコ様を尊重して町名を豊川竹村からジャスコ町とする。」とジャスコ町長が決めたのだ。
同じ自治体のトップなはずだが、僕でもひいた。
と、考えているとジャスコの駐車場についた。
「これが…。ジャスコ……。」
地元にある「八幡商店」の駐車場でさえ
「13台」しか止められないのだが
このジャスコは
なんと、約385倍の「約5,000台」である。
あまりにもすごい……。これがジャスコなのか。
その後、僕はジャスコで買い物を満喫した。
「このスーパー。八幡商店よりも安い……。」
「この本屋、安い!!」
「え!?このフードコートのラーメンうめぇ…。正直、畑のど真ん中に建っている"ラーメン畑"のまずくもねぇおいしくもねぇラーメンよりは100倍おいしい!」
秘書も同様に楽しんだ。
「この服…八幡商店よりも種類豊富。しかもおしゃれだーー!」
「このお惣菜、試食いいの?八幡商店じゃ無理な話だ…。」
「え!?このフードコートのラーメンうめぇ…。正直、畑のど真ん中に建っている"ラーメン畑"のまずくもねぇおいしくもねぇラーメンよりは100倍おいしい!」
僕らは閉店時間まで、すっかり楽しんでしまった。
閉店時間になると、視察のためか分からなかったがジャスコ町の町長が挨拶に来た。
「いやいや、ども。広畑村の村長さん。」
「これは、ども。こちらが僕の秘書です。」
「ども。こんにちは。」
挨拶で軽く2人合わせて頭を下げた。
「いや、しっかしな。我ジャスコすごいでしょ?ガハハ。広畑村にできなくてかわいそうですな。」
「いや…。別に。ジャスコが消えたら町も消えるみたいな村づくりは目指していないので…。」
「ぐわぁぁ…。」
ジャスコ町長はその場で悔しそうに膝をついた。
「秘書、なぜ悔しそうにしているんですか?ジャスコすごいと褒めているのに…。」
「村長。それは違います。褒めではなく皮肉ですよ。」
そうだったのか…。褒めたつもりなのに…。まっいか。
「そういえば、村長。」
「なんですか、秘書。」
「学生が夏休みの居場所の視察の件。どうなりましたか。ジャスコ楽しんだけじゃ無駄じゃないですか。もちろん、視察の評価は考えましたよね?」
「あ。」
終わり




