本日のお姉様は、少し様子がおかしいです。
終末のワルキューレ気になると思っていたら、気づけば3期になってました。
ストールを手に、フローラは屋敷の廊下を歩いていた。思い当たる場所はいくつか足を運んだが、お目当ての人物にはまだ出会えていない。
ふと、微かな話し声が耳に届く。
視線を向けると、先ほどまで探していた人物の姿があった。
(いた……!)
「ロゼリアお姉っ――」
発しかけた言葉を、途中で飲み込む。
目の前の光景を、見てしまったからだ。
「フィリクス殿下」
ロゼリアがそう呼びかけた先にいたのは、王太子であるフィリクス。
――ロゼリアの許嫁である人物だった。
ロゼリアの横顔は、いつもと変わらず美しく整っていた。
淡い紫の髪が陽の光を受けてやわらかく揺れ、その横顔をより一層引き立てている。背筋は真っ直ぐに伸び、指先の動きひとつに至るまで隙がない。誰もが憧れる、完璧な公爵令嬢――
けれど、どうしてだろう。
その姿はいつもと変わらないはずなのに、なぜか目が離せなかった。
胸の奥が、わずかにざわめく。
理由は分からない。ただ、ほんの少しだけ――いつもと違って見えた。
「フローラもいたのか」
踵を返そうとしたフローラは、その声に呼び止められ、思わず足を止めた。
振り返れば、微笑みを浮かべるフィリクスと、わずかに驚いた表情を見せるロゼリアの姿が目に入る。
「お久しぶりです、殿下」
スカートの裾をつまみ、軽く膝を折る。
「そうだわ。殿下」
顔を上げ、立ち去ろうとするよりも早く、ロゼリアが口を開いた。
「フローラと、庭園でお茶をされては?」
ロゼリアの言葉に、フローラは目を見開いた。
思いがけない提案に、驚きを隠せなかった。
ロゼリア▶︎王太子殿下との出会いイベントを遂行中。物語が進み出したことを確認




