本日のお姉様は、初めての友人ができました。
「ミアン!!」
フローラがミアンの名を呼ぶと、ミアンは少し険しい顔をして、フローラを自分の背中に隠すようにリオとの間に立った。
「お嬢様に、何か用ですか?」
「え?」
ミアンに見上げるように尋ねられ、リオは少し戸惑ったように瞬きをした。その様子を見て、フローラは慌てて声を上げた。
「ミアン! 違うの! 彼は助けてくれた方のお孫さんで――」
「助けてくださった……? 失礼しました! てっきり、フローラ様に言い寄っている不埒な者かと!」
先ほど睨んでいた時とは打って変わって、ミアンは深々と頭を下げた。
「いや、助けたのは俺のじいちゃんで、俺は何も……」
「でも、何かご予定があったのに、手伝ってくれたじゃないですか」
「あ、いや…用事っていうか」
リオは言葉を濁すように、困ったような笑みを浮かべて頬をかいた。
「慣れてなくて…女性と話すの」
フローラと同じように「まあ」と小さな声を漏らすミアン。その様子を見て、リオの顔は赤く染まっているように見えた。
「……っ! 仕方ないだろ。じいちゃんと生活してたし、周りも同い年のやつらいないんだよ」
そう言われて辺りを見渡すと、屋台や店を切り盛りしているのは、自分たちよりも年上の人ばかりだった。おまけに、祖父と暮らしているとなると、同年代の人と接する機会などほとんどなかったのかもしれない。
「ふふ、では初めての友人ってことですね」
フローラがそう言うと、リオは少し驚いたような表情を見せたあと、照れたように「まあ、そうだな……」と答えてくれた。
「では、リオさん。ありがとうございました」
「あ、それなんだけど、リオでいいよ。多分、歳も近そうだし」
リオにそう言われ、フローラは驚いたように目を瞬かせた。けれど、すぐにふふっと声を漏らして笑う。
「では、リオ。また」
「ああ、またどこかで」
リオは、フローラとミアンに手を振って見送った。
「あ、言うの忘れてた。あのペンダント……」
二人の姿が見えなくなった頃、リオはフローラが身につけていたペンダントを思い出した。
「俺も似たようなやつ持ってんだよな」
リオの呟きが、フローラに届くことはなかった。
チュートリアル、リオとの対面終了です。
バラアカは恋愛攻略ゲームなので、リオも攻略対象の1人です。
リオと出会ったことをロゼリアは知りません。




