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ギルドマスターが見た、不良の優しさ

 大災害跡地へ向かうことになったイバラークとオサカ。


 当然目的は土地の貸与。


 しかし、雨が降ってきたので一旦雨具を用意してから待ち合わせをして行く事になった。


 イバラークはどこに雨具をしまったか忘れてしまったので、急遽買い物に出た。


 今後も雨の日に外出する事もあると思い、間に合わせではないちゃんとした物を購入。


 水鳥型のモンスターであるハイキッカー白鳥の羽で編まれたコートを選んだ。


 ちなみにハイキッカー白鳥は人間の倍ほども大きさがあり、水鳥のくせに人間を見るとハイキックをお見舞いしようとしてくる厄介なモンスターである。


 ただし、そんなに足が長くないので、ハイキックを繰り出すと結構な確率でバランスを崩して倒れるという残念なモンスターだ。


 一応モンスターを素材とするので高級品の部類に入る。


 王都でも探すのに少し手間取ってしまった。


 イバラークは急いで待ち合わせ場所に向かう。


 場所は王都の東門だ。


 大災害跡地へ続く街道が延びている。


 遠目に門のそばに立つ人影が見えてきた。


 オサカだ。


 何かを見下ろしている。


 イバラークは足を止め、様子をうかがう。


 彼の足元には箱が有る。


 その箱に布がかけられている。


 よく見ると旅人が良く使う防水加工されたマントだ。


 そのマントを押し上げて箱の中から子猫が顔を出す。


 オサカは何かを言ってマントをかけ直した。


 それでも猫はオサカが気になるのかまた顔を出してしまう。


 オサカは困った顔で笑うと子猫の頭を撫でる。


「おう、待たせたな小僧」


「ぁあ!?」


 イバラークが声をかけるとオサカはさっとマントをかけなおし、イバラークを睨みつける。


「マント無しで大災害跡地まで行ったらずぶ濡れになるぞ?」


「ぁあ!?」


「いくらそんなに高い物じゃないとはいえ、捨て猫に今から使うマントをあげるなよ」


「ぁあ!?」


 まぁ、照れ隠しなのだろうが、さっきから『ぁあ!?』しか言ってないな。


 イバラークは猫が入った箱を持ち上げると東門の軒下に場所を移す。


「普通に場所を移動して雨が当たらない位置に置けば良いだけだろう」


「あ・・・・・・」


 どうやら頭はあまり良くないようだ。


「ま、それでも頭の良いクズよりよっぽどいいけどな」


 箱にかかっているマントをオサカに渡す。


 オサカは何も言わずイバラークからマントを受け取った。


「自分じゃ飼えないのか?」


「・・・・・・俺に家は無ぇよ」


「ふ~ん」


 ハーポーンにおいては、家の無いものは珍しいがいないわけじゃないし、他国ならなおさら珍しくもない。


「またトトリにイヤミ言われちまうかな」


「ぁあ?」


「こっちの話」


 また家造りで忙しくなりそうだ。

娘が熱を出しました。

39度超え。

皆様インフルエンザや風邪に気をつけてください。

かく言う私も体調不良。

オサカはただの(?)不良。

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