↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/39

R037話 公開



 1942年夏 『日本 東京湾』


 多数の民衆が詰めかけていた。

 埠頭や砂浜は人、人、人で溢れている


「すげぇー」

「でっかいな」

「無傷で手に入れるなんて凄いな」

「さすがは無敵皇軍」


 人々が指差しながら話しているのは海に浮かぶ22隻の軍艦の事だ。


 この日、東京湾で拿捕したアメリカ軍艦が民衆にお披露目されていた。


 元ニューマン艦隊の巡洋艦シカゴ、アストリア、ポートランド。駆逐艦5隻。そして空母レキシントン。

 元ハルゼー艦隊の巡洋艦ノーザンプトン、チェスター、ソルトレークシティ。駆逐艦9隻。空母エンタープライズ。

 

 巡洋艦が一番手前、次に空母、そして駆逐艦が並んでいる。

 民衆からすれば、この時代はまだ大艦巨砲主義の戦艦中心の時代だ。 

 空母の重要性に気付いている者は少ない。

 それ故に巡洋艦を前面に押し出しお披露目していた。


 去年の12月に鹵獲したにも関わらず、夏に公開になったのは、海軍との共同調査と慣熟訓練に時間が掛かっていたからだ。


 それにプラスして海軍と陸軍の間で、この鹵獲艦の帰属について揉めたからでもある。

 海軍としては、陸軍にこれらの鹵獲艦を譲ってもらいたかった。

 餅は餅屋に任せてほしいという考えである。

 陸軍としては摂政直属の「桜華」部隊による鹵獲である為、摂政に判断を委ねていたし、決めるのも摂政であるのが当然の事だと判断していた。

 そして摂政の考えは、このまま「桜華」部隊での鹵獲艦使用の方針を打ち出す。


 ただし、摂政は駆逐艦1隻と海軍のある物との交換を望み、それは海軍も同意して実行に移されている。


 しかし、海軍上層部はともかく、陸海軍部課長会議の海軍の中堅幹部達は納得していなかった。


 空母2隻、巡洋艦6隻、駆逐艦13隻ともなれば小国にも匹敵する艦隊である。

 それを陸軍が運用!?

 それでは日本軍の中で海軍が二つあるようなものであり、戦力運用の観点から効率を欠くと粘りに粘ったのである。

 正論である。


 しかし、陸軍としても自分達が押さえた戦利品とも言うべき鹵獲艦を、タダで渡すのは面白くないし、何よりも摂政が決めた事である。

 断固、拒否した。

 このゴタゴタは長引き、海軍と陸軍との間でしこりを残す事となったのである。



「陸軍東遣艦隊」

 それが新たに設立された陸軍の艦隊である。

 陸軍の持つ海軍という存在だ。

 艦隊乗員は閑見商会の海運会社で元海軍士官に鍛えられた「桜華」の孤児達である。

 既に訓練は完了している。

 この艦隊が出撃する時期は間近に迫っている……


【to be continued】



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。