R034話 活躍
1942年3月 『カリフォルニア州 某空域』
敵機が煙を吹き出した。と、思った次の瞬間には火を噴き、間をおかずに爆発した。
これで3機め!!
「いける! いけるぞ!! この機体なら!!」
田中飛行兵は思わず狭いコクピットの中で大声で叫んでいた。
全身が高揚感に包まれている。
新鋭戦闘機「越燕」を駆って今日だけで既に3機を撃墜した。
もうアメリカの戦闘機は恐くない!
テクノロジーにはテクニックで対抗しなくても、テクノロジーにはテクノロジーで対抗できる!
ふっははははははははははははははははは。
田中飛行兵は思わず笑い出していた。
今までの空戦での苦労が嘘のようだ。
笑いが込み上げてくるのも無理は無い。
「さぁ4機目よ何時でも来るがいい! 自分は誰の挑戦でも受けるぞ!!」
まるで現代日本の某プロレスラーの決めゼリフのような事を叫びながら田中飛行兵はカリフォルニアの大空を我が物顔で飛ぶ。
黄金の戦闘機は太陽の光に輝きながらその存在を誇示していた。
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1942年3月 『カリフォルニア州北部 アメリカ軍前線航空基地』
「黄金の戦闘機? 間違いないのか?」
「間違いありません。この目で見たんです」
「黄金の戦闘機ね……」
前線航空基地司令官のトーマス大佐は部下のパイロットの報告を半信半疑で聞いていた。
最近、日本軍は戦場に、黄金に輝く戦闘機を飛ばして来ているらしい。
しかも性能も良いらしい。
だが、しかし……
黄金色?
そんなけったいな塗装をしている戦闘機の話しはこれまで聞いた事もない。
だが、複数の部下が報告している以上は本当なのかもしれない。
黄金の戦闘機が出て来てから未帰還機も増えている。
しかし黄金色?
やはり常識外れの塗装が信じられない。
だが、敵機の機体性能は良いのだろう。
ただでさえ補充機が少なく頭を痛めているのに、敵機の性能が上がり損失が増える一方ともなれば戦術を考え直さなければならない。
厄介な事になったとトーマス大佐は渋面をつくるのだった。
【to be continued】




