出会いと別れ
動かなくなったまよを連れて家に帰ってきた。
ちょうどいいサイズの段ボール箱があった。
そこにまよを寝かせた。
硬直が始まる前に楽な姿勢にしてあげてと言われたので、あたかも寝ているような姿勢を組んだ。
本当に寝ているようだった。
目を覚ましてご飯をねだってくるのでは。
起き上がって伸びをするのでは。
そんな願いをよそに、まよは力なく横たわっていた。
まよの遺体は魂が抜けた抜け殻のように思えた。
昨日までとは何かが違う。
まよは死んだんだ。
抜け殻のまよと一緒に居たくなかった。
ずっと一緒に居たいと思っていたのに。
今のまよとは一緒に居たくなかった。
撫でても喉をゴロゴロ鳴らさない。
嫌がらせをしても噛んでこない。
今までの反応はもう無い。
まよは死んだんだ。
以前実家の犬が亡くなったとき、丁寧な葬儀をしてくれた葬儀屋に連絡をした。
偶然にも今日の夕方が空いていた。
今日亡くなって今日か。
それも運命かもしれない。
明日は平日だ。
家に安置していたとしても仕方がない。
だって、まよは死んだんだから。
そして夕方、車で葬儀屋に向かった。
そういえば初めて迎えに行ったときも車だった。
車に始まり、車でお別れだね。
葬儀は粛々と行われた。
棺は、まよの好きな食べ物、おもちゃ、花で飾った。
花より団子かなと思いながらも、最後くらいおしゃれにしようと言い聞かせた。
そしてまよは火葬された。
綺麗な骨だった。
ただお腹に詰まっていた便もはっきりとわかった。
こんなに詰まってたら苦しかったね。
苦しんで亡くなったのかな。
眠るように亡くなったことを祈りたい。
最後の瞬間を看取ることができなかった。
だからわからない。
お願いだから苦しんでいませんように。
骨壺に骨を収めて家に連れて帰ってきた。
あれだけ大きかったまよも今や手のひらの上に乗っている。
引き取ったときと同じ大きさになってしまった。
君は幸せだったかい。
私に引き取られて幸せだったかい。
次回で最後です。




