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引っ越しの準備
祖母が引っ越すまでは約一ヶ月あった。まだ小さな声でしか鳴けないまよに苦情が来ることはまあないだろう。業者に頼むほどの荷物もないので、段ボール箱をいくつか用意して引っ越しの準備を始めた。
1DKのマンションから3DKの一軒家に引っ越すので荷物を処分する必要はないが、この機会なのでスッキリしようと思い、ベッドから何からかさばるものは粗大ゴミで処分した。
ボストンバッグに服を詰め込んで、少し休憩をしていると、まよの姿が見えないことに気づく。
「まよはどこに行ったのかな」
呼びかけながら探していると、ボストンバッグの中から返事があった。
まだファスナーを閉めていなかったボストンバッグの中を覗くとふさふさな毛皮が視界に入った。
「毛皮のマフラーなんて買ったかな」
なんて冗談を言いながら、ふさふさなまよをバッグからつまみ出してファスナーを閉めた。
置いていかれるとでも思ったのだろうか、その後も荷造りをする段ボール箱やバッグにたびたび侵入を試みてきた。
「大丈夫だよ。捨てた人と違って、死ぬまで一緒にいてあげるよ」
というか君が入るのは専用のキャリーバッグだよ。




