707/715
気象予報士に拳を
気象予報士に愛される人生がよかった。彼に愛されながら、私の空から降る火の矢について詳しく話してもらえたのなら。
準備を怠らない彼の瞳が色が私は好きだ、天気の予報を指す恋人の指を一本ずつ、雨に濡らすように見えない指輪で叩きたい。その時どんな音がするのかを聞きたい。恋人を空に縛りたくない。彼を傘のなかに閉じ込めたくない。全ての視聴者たちは、そういうことをされる彼だけを望む。彼が硬かろうと、柔らかかろうと、彼に孤独な場所に立ち続けるのを望む。だけど私は彼の恋人だから、彼の傘に殴られるのを、愛の陽だまりだ、慈雨だ、と受け止めているかもしれない。さぞ息苦しい場所になることでしょうね、恋人、私にそういうことをさせるのは気象予報士の恋人。
花火大会に絶対に行けない私の恋人。その隣に何が降り注ぐのか、恋人よ、あなただけが知ってて告げずにいるのね。




