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最悪の瞬間には3秒間だけ目を閉じる
オーストラリア鉱山事故で2人の作業者が閉じ込められた。救出されるまでに14日間かかった。地下深くでのそれだけの時間を彼らは、持っていたiPodでフー・ファイターズを聴くことで耐え忍んでいた。
僕が彼に本当に伝えたかったのは、そういう話だ。盗まれたもののことではなく。あらかじめ失われるように定められている諸々のことではなく。
しょっちゅう忘れてしまうけれど、僕が彼と話したいことはそういう話だった。世界中で書かれ続けているどのような物語も、僕らの話とは似ても似つかないものばかりだと僕は感じる。けれども、僕の手は、彼の声は、闇の中で留まるだけのものではないと、思い出す必要がある。そう思いたい時に強く思わせてもくれる助けとなるのがいつも僕らの読んだり聞いたりした物語であるはずだ。そうであってほしい。いつでも、どこでも、この先もずっと。




