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いつか僕が暮らしてた群青色の町
彼は、一人分の傘の中から手を出した。まるで、その雨がどれほどの冷たさで降り注いでいるのか本当に興味を持っている人みたいに。
実際問題、彼の人生には備わっているものか何にもなかった。そんなこと町の子らはみんな知っている。彼は狂人であり、近くの大人の手は子の目を覆おうとしたり、ぐいと方向転換させたりするのだった。彼はしばしば路上で立ち尽くしていた。
正しい名前というものはいつだって、思わぬ方向から飛来してくるものだ。
僕もみんなみたいにそれをキャッチしたかったけどキャッチし損ねた。そして他でもない、彼が、しっかりと僕の手にそれを握らせてくれたのだ。瞬間、僕と彼の目が合った。
それは真実を知る者の目だった。




