どこにでも行ける人であるための条件
新しい服を買うことも嫌いではないけれど、それ以上に何より服を捨てるのが大好きな人であること。部屋で音楽が鳴っていても、どのような状況でも眠りに落ちていることが可能であること。他者から向けられる好意と悪意のどちらに対しても、行き着くところは同じだといわんばかりの扱い方がいつもできる人であること。人も物も、手に入れる時と同じくらい衝動的に捨てている人であること。この日ちゃんと話そうと約束しておきながら、じぶんから破ることができるということ。守るかどうか疑わしい口約束も交わせる。決して振り返ったりはしない。口数が多い夜もあれば少ない夜もある。出される料理には好きも嫌いもない、だが、体の中に異物に入れるということ、酒にセックスにドラッグ、タトゥーやピアスや病院治療などに対し常に、防御的なものの考え方をする、選択権ということでもそうだし、自身の身体に対してのこだわりは維持している。写真を必要しないことにかんしてもそうだ。名誉を必要としないのもそう。故郷も最初から持っていないということも条件に間違いなく入っている。ポケットの穴に気づかないでいられることも条件に入っている。どこにでも行ける人であることの条件とは、たくさんの物語を記憶している者であるということ。冠することをしない、全ての音楽を知りながら、かつ全ての音楽を知らずにいるということ。
彼や彼女が、あなたのことを最初から必要とする道理は無論ないし、忘れる必要さえなかったこともそう。明日の彼や彼女は、当たり前に消えいくだけのものだ。蜃気楼だ。愛してみようだなんて、マジで、時間の無駄。
以上のことを考慮にいれたうえで、後は御自由にどうぞ。




