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宝箱
開けるともいわずに開ける。きみはいつも一番に宝箱を開ける。じぶんは本当は開けたいのか、別にそうでもないのか、自問したこともない癖に。そうなんだ、子供がそうしたがるようにきみは宝箱を開けたがる。できれば毎日。朝昼晩の3食が心と体にとっていいと何となく世間ではなっているように、宝箱を開けるきみがきみ自身に肯定される世界があるようだった。ひとのテリトリーに勝手に入って勝手に引き出しを開ける。クロークなんてさらに躊躇なくきみは開ける。だけどそれは宝箱じゃない。でもきみは宝箱を開ける気分で常にいる。つまりきみにとって世界って、宝箱みたいなものらしい。宝箱は開けるものだからきみは開けるらしい。宝箱じゃない、世界も、そして秘密も、宝箱じゃない。全然違う。宝箱には何も入っていない。そこにはオレの秘密しか入っていなかったから。だけどどうして? どうしてオレやオレの家族のことは宝箱になってしまうんだろう?
大きな理由が今とても欲しい。それを宝箱にして、悲しい場所にして、オレはそこで両膝を抱えて座るから。




