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服する
このずっと閉まっているままのカーテンの向こうには、君がいない。カーテンを開けてももう、君と会える世界があるわけじゃない。どこのどんなカーテンを開けても、君がいるわけじゃない。カーテンの向こう側に転がり落ちていけば、誰かがいるのは僕にも分かるけど、絶対にいない人が一人いるとも分かっている時、こちらの脳裏にはその人のことしか思い浮かんでいないのに、その人以外の可能性しか提示されていない時には、乾いた笑いしか出ないものだ。前は、閉まっているカーテンのすぐ向こうに君はいたのに。僕たちはカーテン越しに好きという感情をどうにか相手に伝えようとしていた。互いの息遣いが聞こえてしまっている距離、まだ二人のあいだに距離が存在しているのが目にできた頃には。相手に触れられないとしてもそこにいると、どちらから見ても了解できる距離が。かつて二人はそういう場所にいた、僕はカーテンを開けるため、君はカーテンをまだ閉めたままにするため。おそれと希望で震える指先が見えていた、いつも僕に見えるのはそれだった。だけど愛しくて、動けなくて、僕は、この先もずっと勘違いを続けていたいんだ。




