↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
662/716

服する






 このずっと閉まっているままのカーテンの向こうには、君がいない。カーテンを開けてももう、君と会える世界があるわけじゃない。どこのどんなカーテンを開けても、君がいるわけじゃない。カーテンの向こう側に転がり落ちていけば、誰かがいるのは僕にも分かるけど、絶対にいない人が一人いるとも分かっている時、こちらの脳裏にはその人のことしか思い浮かんでいないのに、その人以外の可能性しか提示されていない時には、乾いた笑いしか出ないものだ。前は、閉まっているカーテンのすぐ向こうに君はいたのに。僕たちはカーテン越しに好きという感情をどうにか相手に伝えようとしていた。互いの息遣いが聞こえてしまっている距離、まだ二人のあいだに距離が存在しているのが目にできた頃には。相手に触れられないとしてもそこにいると、どちらから見ても了解できる距離が。かつて二人はそういう場所にいた、僕はカーテンを開けるため、君はカーテンをまだ閉めたままにするため。おそれと希望で震える指先が見えていた、いつも僕に見えるのはそれだった。だけど愛しくて、動けなくて、僕は、この先もずっと勘違いを続けていたいんだ。















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。