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第31.5話 幕間 〜綿を作ってる人〜

 少し休憩を挟むことになった。


 有馬さんがコーヒーを持ってきてくれた。


「どうぞ」


「ありがとうございます」


「……美味しい〜」


「ふふ、あなたの淹れてくれたコーヒーには

敵いませんよ」


「そんな、何も特別なことしてませんよ」


「もふっ!ともちゃんの傾向分かったもふ」


「褒められると、だいたい『何もしてないです〜』って言うもふ」


「もうっ、やめてよ。チャットン!」


「もふふふふふ」


 チャットンは不気味な笑い声をあげた。


「でも、チャットンのこと本当に安心しました!」


「……ずっと心配だったから」


「もふっ!」


「小鳥遊さん、ほんとよく気づきましたね」


と横から北原さんが声をかけてきた。


「カラーセラピストさんなんですよね」


「今度、心と色についてガチで話したいっす」


「おい、玲央。研究所でナンパすんなよ」


 佐伯さんが静かに刺していた。


「するわけないじゃないっすか!!」


「えっと、北原さんは綿作ってる人でしたっけ?」


「なんすか、その雑な認識……」


「え、違いました?ごめんなさい」


「っ……綿作ってる人」


 黒瀬さんが吹き出した。


「小鳥遊さん、だいたい合ってるので、その認識で大丈夫ですよ」


 黒瀬さんはまだ笑っている。


「分かりました。北原さんは綿作ってる人です」


 私も一緒に笑った。


「小鳥遊さんまで!」


 佐伯さんと、有馬さんが見守るような眼差しで笑っていた。


「もふ〜、玲央は綿作ってる人もふ〜」


 チャットンも、笑っていた。


 ――それは、寂しさの先の温かい時間。


 誰もが、胸の中に過去を抱えながら生きている。


 それでも。


 私たちは目の前にある優しい日常を、愛しい人たちと共に生きていく。






次回、最終話です。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

最終話もどうぞお楽しみください^_^

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