↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/37

第0.5話 暗闇の中で

目を覚ましたのは、狭くて、暗い場所だった。


「うぅーん」


ぼくは、どうやら眠っていたみたいだ。


目を開けてみたけど、何も見えない。


ガタガタとした振動と、何かで移動しているような音が聞こえている。


ここ、なんだかすごく狭いんだけど!!


体中の綿が、ぎゅむぎゅむしている。


「もー、せまいもふ。ふわふわの綿が固まっちゃうもふ」


……それにしても、ぼく、なんでこんなところにいるんだろう?


……?


あれ?

ぼくってだれだっけ?


思い出せないもふ。


自分のことを思い出そうとしていたら、また眠くなってきた。


「……もうれつな、すいま……もふ」


まぶたが閉じる。


それに、目が覚める前から、胸のあたりがきゅっとなっている。


苦しいような、もやもやとした、変なかんじ。


ちょっと痛い。


ふっと、一人の女の人が、頭の中に浮かんだ。


赤いメガネをかけた女の人。

長くて綺麗な黒い髪。

まっすぐなまなざしをしていて、ちょっとさみしそうに笑っている。


だれだっけ?


また、胸がきゅっと痛くなる。


きっとぼくの大切な人だったもふ。


はっきり思い出せないけど、今すぐその人のところへ行って、ぎゅっと思いっきり抱きしめてあげたい。


でも、それができないということだけは、なんとなく分かった。


それにしても、なんて眠いんだろう。


ぼくは、また眠ってしまうみたいもふ。


「ふぁぁぁ」


眠りに落ちる直前、今度は別の人の顔が浮かんできた。


柔らかい笑顔の女の人。

ふわふわで長くて、明るいブラウンの髪の毛。


きらきらとした光の中で、優しくぼくのことを呼んでくれた。


「     」


きみに会えば、なにかわかるのかな。


そんなことを考えながら、ぼくは、また眠りに落ちた。


インディゴブルーの海のような、深い眠りの中へ。


───そうして、ぼくの物語は再び始まった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。