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AIについてエッセイまとめ  作者: 水源


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7/10

同じ小説なのに、AIの評価が85点から72点になった

 小説をAIに評価してもらうのは、かなり便利です。


 でも、その評価を**そのまま正解だと思わないほうがいい**。


 私は最近、特にそう考えるようになりました。


 理由は単純です。


 ――同じ文章を読ませているのに、AIの評価が変わることがあるからです。


 昨日は、


「小説としての完成度は85点です」


 と言っていた。


 ところが、別の日に同じ文章を読ませてみると、


「72点です」


 となる。


「13点も違うんだけど(笑)」


 と思います。


 しかも、変わるのは点数だけではありません。


 前回は、


「説明が多いので削ったほうがいい」


 と言われた部分が、別のときには、


「世界観を伝えるためには、これくらいの説明が必要です」


 と言われたりする。


 逆に、前回は何も問題にされなかったところを、


「ここは改善したほうがいい」


 と指摘されたりもする。


 では、AIの評価は信用できないのでしょうか。


 私は、そうは思いません。


 むしろ、


 ――「評価」ではなく「意見」として使う。


 これくらいの距離感がちょうどいいと思っています。


## AIは非常に便利な読者になる


 小説を書いていると、自分では気づけないことがあります。


「ここはもっと良くできないか?」


「この展開、読者に伝わりにくくないか?」


「冗長になっているところはないか?」


 こういうことを一人で考えていると、どうしても視野が狭くなる。


 そこでAIに読ませる。


 すると、


「ここは説明が多い」


「展開が遅い」


「キャラクターの感情が弱い」


「もっと強いフックが必要」


「この場面は削ったほうがいい」


 など、いろいろな指摘が出てきます。


 これは本当に便利です。


 自分では見えていなかった問題を、別の角度から見つけてくれる。


 だから私は、AIに小説を読ませています。


 ただし。


 ここで一つ、注意したいことがあります。


 **指摘されたからといって、全部直す必要はない。**


 これです。


## 「良くする」と「自分の作品にする」は違う


 例えば、静かな日常を描きたい場面があったとします。


 主人公とヒロインが話をする。


 一緒に食事をする。


 夕方の空を眺める。


 特に大きな事件は起こらない。


 そんな場面です。


 そこにAIが、


「事件を起こしたほうがいい」


「もっと強い引きを作ったほうがいい」


「説明を削ってテンポを上げたほうがいい」


 と指摘したとします。


 確かに、そのほうが一般的には読みやすくなるかもしれません。


 でも。


 その静かな時間そのものを書きたくて、その場面を入れているのなら。


 全部削る必要はないでしょう。


 むしろ削ってしまえば、


「読みやすくなったけど、なんだか自分の作品じゃなくなった」


 ということもあります。


 AIに作者の意図を伝えることはできます。


 それでも、人間の読者と同じように受け取ってくれるとは限りません。


 だから、


「AIが悪いと言った=悪い文章」


 ではない。


 逆に、


「AIが褒めた=良い文章」


 でもない。


 AIから返ってきたのは、


 ――一つの意見です。


 そう考えるくらいが、ちょうどいいと思っています。


## 「厳しめ評価」は、当然厳しくなる


 そして、もう一つ注意したいのが、


「厳しめに評価してください」


 という頼み方です。


 考えてみれば当然ですよね。


 厳しく評価してほしい、と頼んでいるのだから。


 AIは当然、欠点を探します。


 良いところが十個あっても、


「改善できるところを挙げてください」


 と頼めば、五個、十個と問題点が出てくることがあります。


 すると、


「この作品、欠点だらけじゃないか?」


 と思ってしまう。


 でも、それは違います。


 最初から欠点を探す目的で読ませているのだから、欠点が大量に出てくるのは当たり前です。


 健康診断で、


「悪いところを全部探してください」


 と頼んでおいて、


「俺の体、悪いところだらけじゃないか!」


 と落ち込むようなものです。


 重要なのは、


「何個指摘されたか」


 ではありません。


 **「その指摘を、自分はどう思うか」**


 です。


## 点数ではなく「理由」を見る


 だから私は、AIに小説を評価してもらうとき、点数そのものはあまり気にしません。


 85点でも。


 72点でも。


 それ自体には、そこまで意味がないと思っています。


 大事なのは、


「なぜ、その評価になったのか」


 です。


「ここは説明が長い」


 と言われた。


 なら、自分でも読み返してみる。


「確かに長いな」


 と思えば直す。


「いや、この説明は必要だ」


 と思えば残す。


「この展開は遅い」


 と言われた。


 なら、


「本当に遅いのか?」


 と考える。


 自分が意図的にゆっくり描いているのなら、そのままでもいい。


 AIの指摘を、


「直さなければならない命令」


 として受け取るのではなく、


「もう一度、自分の文章を見直すきっかけ」


 として使う。


 私は、そのくらいがちょうどいいと思っています。


 そもそも、小説の良し悪しを一つの数字で正確に表すこと自体が難しい。


 85点と72点の差が、


「作品の質が13点分落ちた」


 という意味ではありません。


 何を重視して読むかによっても、評価は変わる。


 だから、


「八十五点だった。よし!」


「七十二点だった。ダメだ!」


 と一喜一憂する必要はないでしょう。


 ……まあ、同じ文章を読ませているのに点数が変わることもあるので、余計にそう思うんですけど(笑)。


## だからこそ、私はAIを使う


 ここまで書いておいて何ですが。


 私は、これからもAIを使います。


 文章の整理ができる。


 誤字脱字を探せる。


 展開の問題点を指摘してもらえる。


 自分では思いつかなかった表現を出してもらえる。


 そして何より、


 ――自分一人では気づかなかったことを教えてくれる。


 ここが大きい。


 だから便利なんです。


 ただし。


 AIの評価に、自分の作品を合わせるつもりはありません。


 自分の小説を良くするために、AIを使う。


 ここは忘れないようにしたいと思っています。


 AIの感想も。


 厳しめ評価も。


 修正案も。


 全部、材料の一つです。


 使えるところは使う。


 納得できないところは捨てる。


 そして最後は、自分で決める。


 私はこれからも、


「遠慮なく悪いところを言ってくれ」


 とAIに頼むでしょう。


 その結果、厳しい評価をされることもある。


 評価点が大きく下がることだってある。


 でも、


「AIがそう言ったから直す」


 とは限りません。


 自分でも、


「ここは直したほうがいい」


 と思ったところだけ直す。


 逆に、


「いや、ここは残したい」


 と思ったところは残す。


 なぜなら。


 AIは私の小説を手伝うことはできても、


 ――私の代わりに、どんな小説を書くのかを決めることはできないからです。


 最終的に、


「この作品をどんな作品にしたいのか」


 を決めるのは作者。


 私は、AIにはそのための材料をたくさんもらおうと思っています。


 でも、最後の判断だけは、自分でする。


 それくらいの距離感でAIを使うのが、ちょうどいいのではないか。


 私はそう思っています。

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