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放課後。いつもの様に帰り支度をする。
そこにスマホからメッセージ音が鳴った。
華月からだ。
いつもはこの時間にメーセージなんて華月は送ってこない。
何だろうと思い確認する。
そこには短いメーセージで「体育館裏に来て」と表示されていた。
体育館裏?華月が呼び出すなんておかしい。
帰り道で話せば良いだけだ。
不自然すぎる。
俺は疑いながらも了承のメッセージを送った。
何かやっかい事になって無ければ良いが。
華月は子供の頃から運が悪い。よくない事に直ぐに巻き込まれる。本人が悪いわけではない。
あの容姿からやっかまれる事が多い。気には掛けてるが、全ての事をカバーは出来ない。特に同性の嫌がらせなんかは俺も守りようがない事がある。岬に出来るだけ一緒に居てもらってるが、限界も有るのも事実。
俺はため息を吐きながら、岬と連絡を取る。
岬は今日、委員会の当番で華月とは一緒に居ないらしい。
まあ、十中八九何かあったな。
岬に当番の終わる時間を聞き体育館裏に来てもらうようにした。
そしてその時間に合わせて俺も体育館に行くことした。
「岬、華月はなんで体育館裏なんかに呼び出したと思う?」
俺は岬と合流して話しを聞く。
「なんかクラスの女子と一緒に居た所見た人が居た。なんか嫌な視線で見てくる子。多分だけどいじめかも」
「そうか」
俺は警戒心を上げる。
そして体育館裏の手前。岬と身を潜めて辺りを観察する。
そこには華月が一人で立っていた。今にも泣きそうな顔をしている。そしてその陰から多分四人。華月を観察してスマホを向けている女子がいることが解った。俺はため息をはく。
岬には裏に回ってもらった。その女生徒に気づかれないように。
そして俺は華月に姿を見せる。華月も俺が来たことにに気づいた。
「お兄ちゃん・・・・」
「どうした。何かあったのか?」
「あのね・・・、えっとね・・・・」
「うん」
「私ね・・・・。お兄ちゃんの事・・・・・。お兄ちゃんの事が・・・・・大っ・・・嫌いなの!」
辺りに間の抜けた空気が漂った。
「「「「・・・・は?」」」」
陰から観察していた四人は華月を嬉々として観察していたが、その言葉に思わず声を上げてしまった。
『何でそうなるのよ!嘘告でしょ!。普通好きって言うところでしょ!。なによ嫌いって!。普通好きって言って付き合ってでしょ!。それが嘘だって言うドッキリでしょ!』
佐伯祥子は困惑していたが、華月の事を考えると理にかなっていた。なぜなら華月は一輝の事が大好きだからだ。確かに嘘告だった。
佐伯祥子の企みは初めから破綻していたのだ。
二人の関係性を知らなかった。
ただの幼馴染みで仲良くしてるだけだと思っていたのだ。
本人も彼氏ではないと言っていた。
眼前でぽろぽろと涙をこぼす華月。
その画像はとても悪ふざけをしているような感じではなかった。
そこに後ろからいきなり声を掛けられた。
「貴方たち、何してるの?」
心臓がはねるのが解った。
振り向くとそこにはスマホを構えた五条岬がいた。
一輝は眼前で涙を流す華月の頭を撫でてやった。
いつも華月が泣いている時にはこうする。
「お兄ちゃん・・・・」
一輝は後方に向かって声を上げる。
「おい、お前達。ここで種明かしじゃないのか?」
身を潜めていた四人は一輝の声に驚く。そしてその後ろには岬がいる。
四人には逃げ場がなかった。
「・・・・お兄ちゃん・・・えっとね。あの四人に罰ゲームで嘘告やれって言われたの・・・。スマホを無理矢理取られて返してほしかったら罰ゲームやれって・・・」
「まあ、そんな所だと思った」
「・・・お兄ちゃん。さっきの嘘だから。・・・私お兄ちゃんの事大好きだから・・・・ごめんなさい。・・・お兄ちゃん。・・・ごんめんない。・・え~ん。」
泣きながら、制服にしがみついてくる華月。
「岬、動画は撮れてるな」
「バッチリよ兄さん」
その声に四人は蒼白になる。
「お前達がやったのはいじめだ。罰ゲーム?。嘘告?。お前達がやろうとしてた事でこれまで何人の犠牲者が出たと思ってるんだ。これは犯罪とかわらん。俺は許すつもりはないぞ」
「い、いや。そんな大げさな・・・。ちょっとしたおふざけじゃないですか?・・・そこまでの事なんですか?」
四人の一人が狼狽えながらそう言った。
「お前、この華月を見てそう言えるのか?。いじめは厳罰だぞ。たとえ暴力行為がなかったとしても許されるモノではない」
「そ、そんな・・・。でもその女も一緒になってやったんだから同罪でしょ!」
「スマホを人質にとって無理矢理やらせてそう言うのか?。お前のもってるスマホは華月の物だろ。同罪になるはずないだろ。しかももう華月は俺に泣きながら謝ってるぞ」
「・・・・・」
「この動画をみんなが見たらどう思うかしらね。華月ちゃんは約束は守ったわ。そのスマホは返してもらうわ」
そう言って岬は佐伯祥子がもっていた華月のスマホを取り上げる。
「もしこれを公開してほしくなかったらもう二度と華月ちゃんに必要以上に関わらない事ね」
もう四人は何も言うことが出来なかった。
帰り道。
「ほらもう泣き止め」
ぐずる華月に頭を撫でながら一輝は優しく声を掛ける。
「ごめんなさい・・・私があの人達に関わんなかったらこんな事にならなかったのに・・・ヒック」
「クラスの人との付き合いだもんね。断る方が難しいかな?まあ、あの人達もこれで懲りたでしょ?。多分もう何もしないはずよ。動画もこっちがもってるんだし」
一輝もこの華月を見て確かにこのままではまた同じような事が起こると思ってしまう。
そして卒業したら校内では華月を守るのは岬だけになってしまう。
それでは不十分だ。その容姿から悪意に晒されてしまう華月。
何か手を打たなければならない。何か華月を守る強力な一手がほしい。
この時一輝はある事を決めるのだった。
読んでもらえてありがとうございます。
まあ、普通好きな幼馴染みに嘘告したらこうなるような気がしますが、他は違うみたいです。
後一話で多分この話は本当に終わらせます。なるべく早く書きます。
新作は時間が掛りそうですが、その時はよろしくお願いします。




