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「ふっ、あの野郎の顔、見物だったぜ!」
吉田は華月と歩きながら、そう笑いながら呟いた。
先ほどから下を向き無言の華月が少し感に触った。
「なあ?」
華月はまだ下を向いている。
「おい、どうしたんだよ?」
そう言うと華月は笑顔で吉田の方を向いた。
「え?、何?」
「あいつの事気にしてんのか?」
「え?、全然・・全然気にしてないよ?」
「そうか、なら今日はあそこいかね?」
吉田が見ていたのは俗に言うラブホテルだった。
「そうゆうのはテストが明けてからね。私、勉強で忙しいから・・・」
「なんだよ、またそれ?」
「ごめん。でもテストが明けたら行くからそれまで待って」
吉田はため息を着いたが、そこでは無理強いはしなかった。
『まあ、いいか。ムカつくあいつの彼女を奪ってやったんだ。今日はあいつでも誘うか・・・いずれこいつは俺の物になる。それまで楽しみにしておくか』
そして、そこで二人は別方向に歩き出した。
『最近の俺はついている。あいつから俺に寄ってくるなんてな。』
吉田太郎の眼前にはよがる女の姿があった。
「太郎!。もっと、もっと!」
『ふ、俺に架かればあの女も簡単だった。まあ、あの野郎を嵌めてやる計画が省けて楽だったんで少し位待ってやる。こいつを捨てる時間もいるしな』
そんな事を思いながら吉田は快楽に身を委ねていた。
そして次の日。
吉田は上機嫌で登校しクラスに入った。
目に飛び込んで来たのは小さくなって座る五条の姿だった。
『ププッ!。だっせーな、おい。嫌みの一つでも言うか』
そして吉田は五条に近づく。
「よう、五条。調子はどうだ?。ふふ」
「おはよう」
五条から返ってきたのはそれだけだった。それはかなり沈んだ声に吉田は聞き取った。
『ぷっ、こいつ最高!』
「なんだよ~。暗いぜ?。彼女にでもフラれたか?」
「・・・・」
『何だよ、こいつもうしゃべる元気も無いのか?。ざまぁ無いな』
吉田は勝ち誇った笑みを浮かべながらそれだけ言って、席についた。
そして机から雑誌を取り出そうとして、何か別の物があることに気づいた。
『ん?、写真かこれ?』
吉田はその写真を見て驚愕した。それは吉田が一番に気に入っている女が男とホテルに腕を組んで入って行く所の写真だった。
『な、何だよコレ?、どうなってやがる!?』
吉田は顔を真っ赤に染め、怒りをあらわにした。
「お、おい吉田どうした?。顔真っ赤だぞ」
隣の席の男が吉田の異変に気づいた。
吉田は気を取り直して写真を机の中に押し込み、平静を装った。
しかし胸中は穏やかでは無かった。
『あの女・・・。浮気しやがったのか!ゆるさん!』
吉田は女をその日の夕方に呼び出した。
そして写真を見せ問い詰めようとした。
「あんたもしたんでしょ?」
そう言った女は吉田にスマホの画像を見せた。それは昨日の夕方別の女と吉田がホテルに入っていく所だった。
「なっ!?、何でそれを・・・・」
「誰かわかんないけど送ってきたの。あんたもサイテーよね。私だけとかいってさ!」
「お前!」
吉田が女に手を上げ様とした。しかしそれは後ろから止められる。
「なっ!」
「おい、お前。花子に何する気だ!」
振り向くとそこには写真に写っていたと思われる男が吉田の腕をつかんでいた。ガタイのいい男だった。
「私、あんたと別れてその人と付き合う事にしたの」
男は吉田の腹部に拳を突き刺した。
吉田はうずくまり立てない。
「おまえ・・・」
吉田はえずきながら囀った。
「サヨナラ。もう二度と近づかないで」
吉田は去って行く二人の背中を眺めるしか無かった。まるでこの前の五条の様に。
次の日
吉田とその友達は生徒指導室に呼び出されていた。
「な、何ですかそれ?」
吉田は写真を見せられていた。
自分がカラオケで飲酒、喫煙してる姿だった。
吉田は蒼白になる。
「匿名でこんな写真が送られてきた。お前は今日から自宅待機だ。処分は後で通告する。このテスト前だ。お前成績あまり良くなかったよな。留年も覚悟しておけ」
無慈悲に告げられた言葉に吉田は愕然とした。
そして吉田は帰りながら考えた。
いつからおかしくなったのかを。
そして吉田はある女を思い浮かべた。
『あのカラオケの写真、あの時の物か。ならあの女が!』
自分から言い寄ってきたくせに全くスキンシップをしたがらない。いつも良いところではぐらかすあの女を。
「あの女!ゆるさん!」
吉田は思い浮かべた女に殺意を抱くのだった。
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