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幼馴染みが浮気して寝取られました?  作者: おすし


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10/11

SS(岬ちゃん)

 私は五条岬


 一輝兄さんの妹だ。


 時は十時を回った時間。窓から外を見ると晴れた夜空に輪郭を虹色に輝かせる綺麗な月が見えている。今は一人、部屋で最近起きたことをぼんやり考えている。


 兄さんが高校生なのに結婚した。


 相手は幼馴染みの新藤華月ちゃんだ。


 華月ちゃんとは当然私も幼馴染みだ。


 それも本当の幼馴染み。


 最近やたら小説で幼馴染みが出てくるが、大抵は年が近いご近所さんだ。まあ今では幼馴染みの関係は本当に言葉通りの関係でしか無い。昔の幼馴染みとは別の存在だ。私は昔の幼馴染みが本当の幼馴染みだと思っている。


 昔の幼馴染みは家や集団から関係を強要され自分の自由に出来ない関係にあった。


 大抵は主従関係の家柄の子息同士とか許嫁だ。それを自分勝手に婚約破棄だー、とか言ったら根底から自分の立場がなくなる。


 好き嫌いは関係無い。集団の結束を強化する為の関係。ある意味家族よりも融通がきかない関係だった。華月ちゃんと兄さんは今でこそあまり聞かなくなった許嫁と変わりない関係だった。


 そして私と華月ちゃんは、義理の姉妹。本当の幼馴染みと言っていい。


 華月ちゃんが義理の姉で私は義理の妹となってしまった。


 華月ちゃんは昔から私の事を妹の様に思ってくれている。


 華月ちゃんはものすごく非力な癖に幼少の頃からお姉ちゃん面して私に接してくる。


 まあそれ自体は私は特に不満は無い。が、絶対に私の方が強く守ってやらないといけない存在だ。


 華月ちゃんがどのくらい非力かと言うと、幼少期に遭遇したカマキリに自信満々に戦いを挑み返り討ちにされ、大泣きし兄さんに助けてもらった経歴がある。それから華月ちゃんは虫が苦手だ。


 小学生の時は近所のチワワに吠えられ泣かされていた。この時も兄さんに助けてもらっている。


 中学生の時は近所の小学生低学年の男の子に髪を引っ張られ泣かされていた。この時も兄さんに助けてもらっていた。


 運動は音痴と言うほどでは無いが、やはり出来ない。握力は今でも二十に届かず十八しか無い。


 身長は百五十ぐらいらしいが体重は四十キロ前後。とても貧相な体つきをしている。


 とにかく非力なのだ。本人はあまり自覚してないけど。


 それはさておき結婚して二人がどうなったかと言うと二、三日は華月ちゃんが浮ついていただけで後は全く変わらなかった。


 あの二人にとって結婚は当たり前だったのかもしれない。


 兄さんはいつも通りの完璧超人だし、華月ちゃんはいつも通り兄さんの側でフワフワ笑っている。


 華月ちゃんは同性の私から見てもとても可愛い。


 だけどいざという時はみんなの期待以上の成果を出す事がよくあった。


 小学上学年の時、いじめられそうになった私をかばってくれたことがあった。結局は兄さんが何とかしてくれたけど私はその事を今でも覚えている。


 兄さんが中学生の時の武術大会の準決勝で負傷を負って誰もが決勝を諦めていたとき、華月ちゃんだけが兄さんに付きっきりで手当をしてくれたこともあった。そのおかげで無事に決勝戦に出て劣勢に追い込まれても必死に応援して兄さんを奮い立たせて何とか勝利した事があった。


 あの時は華月ちゃんのおかげで勝てたと兄さんも言っていた。


 高校受験でも兄さんと同じ学校に通いたいと必死に勉強してランクが上だった学校に見事に合格したこともあった。


 そしてこの前の事件で最後にあの屑を断罪したのも華月ちゃんだったと聞いている。いつものおっとりした感じからは想像出来ないほど兄さんや兄さんの関係者が関わると力を発揮するのだ。


 他にいくつもそのような事があった。


 だから義理の姉にと言われても特に不満を感じない。


 幼い頃兄さんとはどんな感じだったかと言うと、私と同じように面倒を見ていた事もあって普通の兄妹よりも親密だったと言える。兄さんは小さい頃は人よりも体が大きく何でも早く出来る様になっていた。


 朝から晩まで殆ど一緒に居て、食事やお風呂、トイレの手伝いまで兄さんはやっていた。私も同じように面倒を見てもらっていたが、トイレの手伝いは私の方が早く卒業する事が出来た。ここは重要。


 お昼寝はまず間違いなく一緒に寝てた。夜も両親のどちらか用事があるときは一緒に寝てた。


 体が大きくなって困難になるまではお風呂は一緒に入ってたと記憶している。一緒に寝るのは今では気分次第だ。たまに私も兄さんと一緒に寝ることがある。主に天候が悪い日だ。その時は華月ちゃんも大体いる。二人共けして雷が怖い訳ではない。気分次第なのだ。


 まあ、これだけ一緒に居れば普通恋愛感情に発展しない様に思えるが、華月ちゃんは成長と共に綺麗になって兄さんもとてもかっこよくなった。幼少期を全く忘れる程に。そしてあの二人は普通の人達とは何かが違ったのだろう。だから今の関係になった。


 そんな事を考えてる内に喉が渇いたので部屋を出ることにした。


 リビングに入いろうとすると数をかぞえる兄さんの声が聞こえてきた。多分トレーニングでもやっているのだろう。


「百十一、百十二・・」


 部屋に入ると腕立て伏せをする兄さんの上にまるで子亀の様に華月ちゃんが乗っていた。


 いつもの光景だ。


 兄さんの手伝いは華月ちゃんの仕事。本当にあの二週間、二人が会わなかった事が今となっては不思議に思える位だ。私とお母さんが遠ざけていたのもあるが。まああの二週間が終わってからは前よりも一緒に居るのは気のせいでは無いだろう。


 親達が話していたが、私達が年を重ねたときに家を統合しようと言う話があった。


 両家で子供が三人しかいない。


 今のままでは新藤家は確かに相続が困難だ。養子などを入れて他人に家を渡すならそっちの方が良いと言う考えからだ。


 その時はどうなるのだろう。


 今は考える事では無いかもしれないが、名字など改名するのも面白い。


 私達の五条と新藤。新藤は前身の四条の色が濃い。


 なので併せて九条にしたら良いかもと私は思った。


「百二十一、百二十二・・・」


 兄さんの上に乗る華月ちゃんを見ながら私はそんな事を考えていた。


読んでもらえてありがとうございます。

丁ですが、何とかクリア出来ました。

後は堀ですがE1は終わりました。

その記念に今回の追加となります。

面白くは無いかもですがよろしくお願いします。


※補足ですが、幼馴染みに関して書いてますが定義は実際の所、有りません。

でも前提はあります。

幼少の頃からの付き合いだけでは不十分で、けして裏切らない結束が出来ている人間だと私は認識しています。そこには好意は関係ありません。嫌いでも裏切れない人間なのです。

なので過去の作品は便利キャラと扱われてきました。

今の世の中には希少な存在です。殆どの人がいないと思ってます。

最近の作品にはもしかしたらいないのかもしれません。裏切りまくってますから(笑)。

なので今回はどうやったらそうなるのかを書いてみました。



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― 新着の感想 ―
> 兄さんの上に乗る華月ちゃんを見ながら私はそんな事を考えていた。 これだけみたら、騎乗位?!がと思った
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