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ガイドブック
この話は「異世界のむつ市(最北端)へようこそ!」 1話、137話のサイドストーリーになります。
苺香の部屋の書棚には、ひらがな三文字のタイトルが躍る旅行ガイドブックがずらりと並んでいる。
仕事の出張や、プライベートの旅行で新しい土地を訪れるたびに買ってきたものだ。
もちろん旅の計画を立てたり、現地での行き先を調べる参考にはする。
しかし、苺香にとってガイドブックを買う理由は、それだけにとどまらない。
書棚の上のスペースには、お気に入りの数冊がまるで本屋の平積みやディスプレイ棚のように、表紙が見える向きで飾られている。
部屋の中でふと目についた時、手に取ってパラパラとめくってみる。
色鮮やかな写真や地図を眺めるだけで、その土地で食べた美味しいものや、吹き抜けた風の匂い、旅先での出来事が鮮明に蘇ってくるのだ。
苺香にとってガイドブックとは、情報誌であると同時に「旅の思い出を呼び起こすアルバム」のような存在でもあった。
ふと視線を落とすと、机の上にはまだ袋から出されていない青森のガイドブックが置かれていた。




