第二幕 部室
すいません、更新忘れました。てかそもそも更新待っててくれる人なんているのか?ここの前書きまで読んでる人いるのか?まあいいや、第3話はじまりはじまり~
俺は姉の言葉があまりにも突拍子すぎて、手の力が抜け、コントローラーを床に落としてしまった。
「…舞台を作るって、どういうことだよ。」
どうにか喉の奥から引っ張り出せたのは、そんなか細い言葉だった。
「そのまんまだよ、湊は演劇部というものを知らないの?」
「演劇部…」
知らないわけではない。出身中学にも演劇部があったから。なにをするのかも、なんとなく分かる。ただ、俺という人前に立つのをもっとも苦手とする人間にとって、舞台の上で堂々と演技をする演劇部は無縁だと思っていたのだ。
「…俺、人前に立ちたくないんだけど。」
「それなら最悪、裏方とかでもいいよ。演劇部には、役者以外にも沢山仕事あるからさ。」
「さっきからやたら詳しいな。」
「いや、私演劇部員だし。」
「…え!?そうなの?」
かなり驚いた。なぜならここ一年くらいの姉は、平日は早く帰宅することが多く部活をしているようには見えなかったからだ。
「ちょっと湊、お姉ちゃんが何部かも知らないの!?悲しいんですけど。」
姉が距離を詰めてきたので俺はたじろいでしまった。
「…ごめんって。」
「湊くんは人に興味なさすぎなの。もっと広い世界をみてごらんよ。誰だって何にでもなれる、この演劇部で!!」
「どさくさに紛れて勧誘しようとするな。」
「じゃあ分かった、明日、仮入部にきてよ。そこで判断して。」
「…嫌だと言ったら?」
「教室まで迎えに行ってあげるよ。」
どうやら姉は本気で俺を演劇部に勧誘したいみたいだ。
郡山七海という人間は、一度やると決めたことは何がなんでも最後までやり通す。
そしてこうなったときの姉はしつこい。
「はあ…分かったよ。」
そして弟の郡山湊は、そのしつこさに毎回折れている。
「やった~ 場所はあとで教えるね!」
姉は元気にリビングを出ていく。
俺はコントローラーを拾い上げソファの上でコントローラーごと抱え込んで丸まった。
明日俺はどんな目にあうのか、想像して震えながら。
「は、え?演劇部の部室ってここ??」
翌日、俺は姉が教室までやってくるのも嫌だったので、観念して姉に教えられた場所までやってきた。
そこは校舎から少し離れたところにある、しばらく誰も立ち入っていなさそうな古びた建物の二階だった。
俺と姉は、部屋の入口と思われる引き戸の真正面に突っ立っていた。
「ここだけど。」
姉はさも当然であるかのように、あっさり答える。
「いやこの建物、全体的に古くて汚くね??なんか独特な匂いするし。」
「大丈夫!匂いは慣れる!!」
「いやいやいや…」
姉が部屋の中に入っていくので僕も続いた。
部屋の中は随分散らかっていた。床中に何かが書かれた紙が無数に散らばっている。
その中心に、なぜかやたら立派なプロジェクターがあった。
広い部屋は二つに仕切れるようになっていて、畳の奥側には黒いカーペットのようなものが引かれていた。その真ん中に大きな白い板が置いてあった。
僕は床に落ちている紙の中から一枚を拾った。そこには縦書きでおそらく役名と思われる名前の下に、セリフが沢山書かれていた。
「お〜っ、「もりゆか」じゃん、懐かしいな。」
「「もりゆか」って何?」
「劇のタイトルだよ。正式名称は「森の愉快な仲間達」演劇部はタイトルに略称つけがちなのさ。」
「よくわからないな。」
俺は床に紙を投げ捨てた。
「ちょっと、演劇部員たるもの、台本は大切に扱わないと。」
「俺は部員になるなんて一言も言っていないぞ。今日は仮入部だろ。」
「まあまあ、そう焦らずに、ゆっくりしていきなよ。」
姉はそういうと、どこからか座布団をもってきて、俺の前に差し出した。俺は目の前の紙を片付けて、おとなしく座布団をしいて座る。
「そういえば、今のところ、ここには俺らしかいないけど、演劇部って部員何人いるんだよ。」
「私だけだけど。」
姉はプロジェクターの電源を入れながら答えた。
「…え??」
一瞬、冗談かと思った。
「いやいやいや…流石に嘘だろ?」
「え、事実だけど、だってその証拠に、今ここには私と湊しかいないよ。」
俺は事実を受け止めきれず、姉を見た。姉はさも当然であるかのような顔をして、プロジェクターとパソコンを接続する。
「はあああ!!??部員姉さんだけ??マジ!?」
「マジだよマジ、今まで私が嘘ついたことあったっけ???」
「いやいやいや…そもそも部員一人で部活成立するのかよ。」
「しないね、最低でも部員3人いないと。だから手始めに湊を誘ったの。」
「俺数合わせ担当かよ!!!」
「ちがうよ〜!私は湊なら絶対演劇部に向いていると思ったの、お願い!一緒に頑張ろ!!」
そういうと姉は俺の正面にやってきて、俺の手を掴もうとした。
「昨日からそうだけど、姉さんに俺の何がわかるって言うんだよ!絶対嫌だ!!!もう帰るぞ!!」
僕は姉の手を振り払い、扉に向かって歩き始めた。
「ああ、ちょっと湊!!」
姉が声をあげる、しかし俺は無視して勢いよく引き戸を開けた。
次の瞬間、広い部屋に二つの小さな悲鳴が上がった。
次回の更新はいつになるでしょうか。ここまで読んでくださりありがとうございました。




